ニライの丘 A Song of Gondola (2010年)

少年映画評価 9点
作品総合評価 6点
少年の出番 100%(堂々主役)
お薦めポイント 本当の沖縄の日常生活
映画情報など 2010年公開/DVD発売中
(右写真は、主役の神谷健太君)


2010年9月20日、シアターN渋谷(東京)にて鑑賞。
この日は鎌倉市でグロリア少年合唱団のコンサートを鑑賞して東京へ戻り、そのまま渋谷へ。コンサートに満足していたら、その余韻を楽しむため、映画は見ない予定でした。でもちょっと不満があったので、本作品を鑑賞することに。

シアターN渋谷は、移転前の「ユーロスペース」で何度も通った映画館です。3連休最後の夜でしたので、映画館もその階下にある「アニメイト」にも人かげが少なく、寂しいけれど快適でした。

■ストーリー

沖縄の中学生の良(神谷健太君)は父と妹の3人暮し。母は亡くなっていない。父は頑固で暴力的で、思春期を迎えた良は何かと父と衝突する。父から許されなかったが、勝手に空手を習い始めた良。そこでアメリカ人少年ケビンと友人になった。ケビンも悩みをかかえている。

そのケビンがあろうことか、拳銃で父親を撃ってしまった。そのゴタゴタの中で、良は家を飛び出して、あてどもなく街をさまよう。そして自分の父親の秘密も知ってしまった。

■沖縄の人が作った本当の沖縄の映画

沖縄の中学生を、沖縄の人間の目で撮った映画ですが、製作に吉本興業が入っているのが不安でした。でも、吉本色のかかった部分は多少はあったかもしませんが、それ以上に沖縄の風が感じられて新鮮な印象であり、本当に拾い物といってもいい佳作です。(吉本興業の芸人が、本筋には関係ないところで写っていますが、一体なんの意味があるのでしょう。)

主役は神谷健太君。父親役の津波信一さん、女子中学生ヒロインの松田ゆうなさん、など濃いキャラクターの共演者がいますが、監督は誠実に主演の神谷君を撮っています。主役にしっかり力を入れる、これは当り前の事なんですが、最近のメジャー系が作る邦画少年映画は、ここが手抜きに感じられるものが少なくありません。

神谷健太君。中学3年生くらいでしょうか。写真や静止画でみると、少年期を脱して青年になってしまった雰囲気ですが、映画の中では少年らしい表情も沢山みせてくれます。「誰も知らない」の柳楽君、「ワカラナイ」の小林優斗君など、思春期の少年がフッと見せる表情の中に、何ともいえない色気があります。

但し、誰でも持っているのではないので、この色気を持つ俳優(しかも、ごく短期間しか持続しない)を見つけ出すのは大変かもしれません。

なんくるないさアーという大らかな人間性、楽園のような沖縄。こんな、日本のメディアが作った沖縄像ではなく、本当の沖縄の生活が垣間見られるような気がします。中学生でも基本は内地と同じ。沖縄にだってオタク少年はいるのです。同級生のオカマ少年が面白かった。(美形ではなく、コミカル系でしたけど)

もっともっと沖縄の映画を見てみたい。これが本作をみた感想です。同じ監督で、同じ神谷君が主演した「マサーおじいの傘」という短編が、DVDで発売されているとの事で、Amazonで注文してしまいました。また後日レビューします。

こっそり空手を習いだしたが、集中力散漫で
行くあてもなくさまよい、ゴンドラに乗る


<※本作品を見られる方へ>
デジタル特有のギラついた画面と、聴覚障害者向けの字幕に、最初は違和感があると思います。でも、ストーリー進行と共に慣れてきますよ。





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