ACACIA (2010年)

少年映画評価 9点
作品総合評価 7点
少年の出番 100%(ほぼ主役)
お薦めポイント 林凌雅君の熱演・お尻ダンス
映画情報など 2010年公開/DVD発売中


2010年6月19日、シネマート心斎橋(大阪)にて鑑賞。

東京から遅れること1週間、ようやく大阪でも公開です。2館で上映していますが、心斎橋のアメリカ村の真ん中にあるシネマート心斎橋へ。まだ「クロッシング」を上映中。例の「ザ・コーブ」上映中止騒動もあった映画館です。アントニオ猪木さんが主演という、異色の作品ですが、全く話題になっておらず、初日なのにガラガラでした。

東京国際映画祭のコンペティション部門に出品とはいえ無冠、またネットで流布される批評も酷評が多く、その前に見た映画「トロッコ」が大変期待したのに平凡な作品だったこともあり、あまり期待せずに見に行きました。

レトロな路面電車に乗る大魔神とタクロウ
■ストーリー

北海道の田舎で暮らしていた元プロレスラーの大魔神(アントニオ猪木さん)の家に、ある女性が少年を預けていった。少年はタクロウ(林凌雅君)といい、結局は父にも母にも見捨てられた格好だ。大魔神は無骨な人間だったが、タクロウには暖かく接し、次第に本当の父子のようになっていく。

しかし大魔神には別れた妻が、タクロウにも捨てられた父親がいた。お互いに妻と父親に合うことを画策することになるが。

■不器用だけれど、暖かいストーリー

結論から言えば、GOOD!な映画でした。アントニオ猪木さん、失礼ですが、こんなにセリフがあるとは思っていませんでした。もちろん「プロの俳優」という尺度から見ると酷ですが、この存在感は、他の俳優さんでは決して出せないと思います。

そして何と言っても林凌雅くん、彼の演技が素晴らしい。これに尽きます。超人気プロレスラーも、実力派の女優さんも、あっさり手玉に取る、この存在感というか、怖いもの知らず、というか、本当に見ていて頼もしい限りです。

息子を亡くした元プロレスラーと、離婚により父を知らない少年の交流を軸に話が進みますが、ストーリーには無理な点もあり、また話の展開もテンポがいいとも思えません。そんな欠点を補っているのが、林くんと猪木さんの魅力だと思います。

しかし、子役や猪木さんに興味の無い方には、全く退屈な映画だと思います。キャピキャピの女の子や、切った張ったのアクションを期待している人には、つまらない作品でしょう。猪木さんと少年が、船に乗ってサメ退治したり、宇宙人を見に行ったりする場面があります(何のこっちゃ?)

少年は半信半疑ながらも、猪木さんに付き合ってあげる優しさ。函館の路面電車や夜景もあいまって、まるで恋人同志のデート。この冒険ゴッコ(妄想)シーンを受け止めれない人は、この映画はダメでしょう。たぶん悲しい事に、大半の方はダメかも。でも私は久し振りに、何故かトキメキすら感じました。もっと2人だけで色んな事をして欲しかった。

父にも母にも捨てられてしまったタクロウ
暖かい手でプロレス技をかける大魔神


最後に、毎回同じ事を書きますが、公式サイトも、パンフレットも、小さな名優、林凌雅くんの扱いは、悲しくなるほど小さいこと。キャストのクレジットでは2番目ですから、もうちょっとマシな扱いはないものでしょうか。ただ、ちょっと救いなのは、辻仁成監督は林君を評価しているような感じがすることです。





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