WE ARE LITTLE ZOMBIES (ウィアーリトルゾンビーズ) (2019年)

少年映画評価 8点
作品総合評価 7点(ハマる人はハマります)
少年の出番 100%(主役です)
お薦めポイント 劇中バンドと創世記の拙いTVゲーム画面
映画情報など 2019年製作。BD/DVD発売中
(写真は主役の二宮慶多君)


壊滅状態だった邦画少年映画。ところが2019年は「まく子」、「こどもしょくどう」、「ばあばは、だいじょうぶ」と立て続けに少年主役の映画が公開。また「僕はイエス様が嫌い」なども公開が控えています。

本作も正真正銘の少年映画でした。タイトルは英語表記、カタカナ表記のどちらが正確なのかよく判りません。サイトによってまちまち。ここでは英語表記にしておきます。それにしても二宮慶多君。往年のチャップリン、キートンのような無表情な存在感は大したもの。彼を見るだけでも価値があります。

予告編やMVが公開された時、これはひょっとするとMAGiC BOYZ(当時)の映画 「イカれてイル?」のような支離滅裂な作品ではとの懸念が頭をよぎりました。でも大丈夫。電通出身の少し変?な監督さんですが、しっかりと製作。二宮慶多君もブエノスアイレス国際映画祭で最優秀男優賞を獲得したとか。

両親の葬儀でも全く感情を出さず無表情なヒカリ。ゲーム機は片時も離さない。
(バックはブリューゲル?の絵画でしょうか...)
■ストーリー

中学1年生のヒカリ(二宮慶多)は両親をバス事故で亡くした。しかし涙は一滴も出ない。多忙な両親とはずっと会話もなかったからだ。火葬場で同じ境遇のイシ(水野哲志)、タケムラ(奥村門土)、イクコ(中島セナ)と出会い、4人の少年少女はそのまま行動を共にすることになった。

ヒカリの住むタワーマンション(親戚が占領)、イシの家は中華料理屋(火事で両親は焼死)、タケムラの家は町工場(父が借金苦で自殺)、イクコのマンション(ロリコンのピアノ家庭教師がイクコに言い寄り両親を殺害して逃走)。どこにも4人の居場所はない。ホームレスになった4人はガラクタの中から楽器を見つけてバンドを結成。

演奏を聴いた男(池松壮亮)はこれは売れる!と4人をLITTLE ZOMBIESと名付けて売り込んだ。そしてまさかの大ヒット。4人はテレビにも登場。ヒカリはインタビューに答えて両親を事故死させたバス運転手を殺したいと発言。運転手は自殺。この騒動でバンドは解散。そして彼らは再度旅にでる。なんのあてもなく...

■30年くらい前の古いゲーム画面...

30年前の1989年に「ノーライフキング」という映画がありましたが、本作はその続編みたいな印象です。と思ったらノーライフキング作者いとうせいこう氏も出演してたんですねえ...ハイビジョンどころか4K,8Kの時代に320×200画素くらいの粗いゲーム画面が延々と出てくるのは正直言ってご勘弁願いたい。

主人公のヒカリが豪華マンションから持ち出したものはゲーム機だけ。初代ゲームボーイをスケルトンにしたようなもの。ただこのゲームがカラフルに光ってオシャレなんです。私も欲しいくらい。でも今ならスマホ1つあれば何万倍もスゴいゲームができるんですけど...

詳細は書きませんが4人の最後の旅。ちょっと引っ張りすぎてダラけましたが、なかなか面白い(2時間は無駄に長すぎるという感想も...)。これはBDが出たらレンタルではなくて購入したいと思った次第です。

二宮慶多君。実に不思議な感じの少年。どうにか美少年の範疇に入りますが真ん中ではなくて端っこの方。上唇が(お馬さんのように)いびつにめくれ上がるのがなんとも言えません。まあ是非見て下さい。

先週、僕の両親は死にました。バス事故で。
(何とも乾いた声のナレーション)
家を出ていく時、手にしたのはゲーム機だけ
30年前の機種の復刻版? スケルトンで照明がきれい...


左からイクコ、イシ、ヒカリ、タケムラ
(イクコに命令されて、ヒカリがボーカルを...)
ゴミ置場のヘルメットを被って...
(なぜか故・忌野清志郎さんを思い出す...)


WE ARE ZOMBIES BUT ALIVE(公式MVより)
(上唇が非対称にめくれ上がるのがチャームポイント)
(二宮君、本当はもっと歌は上手いらしい... 監督談)
同MVの後半は静止画カットが続きます
(目玉メガネですが、中学生らしい首元...)


※後記
第3部から第2部に昇格しています。最初は普通に思ったのですが、時間が経つにつれて印象深くなってきました。







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