Nileナイル (1999年)

少年映画評価 6点
作品総合評価 5点
少年の出番 60%(ほぼ準主役)
お薦めポイント 幼い三浦春馬君の可愛さは抜群
映画情報など 1999年公開/ビデオ絶版(写真は三浦春馬君)


たまたま衛星放送(チャンネルNECO)で放送していたので録画しました。今を時めく若手俳優の三浦春馬さんが子役として出演している作品であるとは知っていましたが、どうせチョイ役だろうと勝手に決め付けておりました。

大して期待もせずに録画を見ると、三浦春馬君は大活躍じゃありませんか。ほぼ準主役と言っても過言ではありません。しかも演技も達者で、大変可愛いときている。これで映画の内容がもう少し良ければ言うことなしなのですが。

外国少年と並んでも三浦君の可愛さは負けません。
■ストーリー

主人公は、ある通信社のカイロ支局長の見城(渡瀬恒彦さん)。エジプトで発掘作業中の考古学者の西山教授(吉村作治さん)と見城は親友であり、家族ぐるみの付き合いをしていた。

見城は現地人の女性ジャーナリストと結婚したが、内戦取材中に妻は殉職。その寂しさもあってか、日本へ帰国しない西山教授の息子、海(三浦春馬君)とその姉を実の子供のように可愛がっていた。

その海少年が日本で何者かに誘拐されたのだ。しかも同時期にエジプトで西山教授も拉致されてしまった。これは西山教授がエジプトで何かを発見し、それを横取りしようとする組織の犯罪か。西山教授は遺体で発見された。

見城はエジプトへ戻る。そこで犯人グループのある女性から連絡を受けた。海少年は無事だと。その女性は犯人グループのボスの愛人で、弟を人質に取られ、やむなく協力していたのだが、弟と海を助けるために裏切って見城に連絡したのだった。さあ、ここからは先の見えるアクション

■とにかく三浦春馬君。それだけ
神木隆之介君にも似ています

最初にも書きましたが、当時まだ10歳になったか、ならないかの三浦春馬君ですが、めまぐるしく変る表情、達者なセリフ、なかなかの名子役です。

エジプトが舞台で、エジプト人の少年や女性とも共演するのですが、彼らの容貌は白人そのものです。普通の日本人なら、どうしてもカメラ映りで負けてしまうのですが、三浦春馬君のルックスは負けていません!

日本映画に外国人、それも少年少女が出てくると、どうしても違和感があります。なぜでしょう。外国人が変な日本語を話すせいでしょうか。それとも何か外国人に対してコンプレックスがあるのでしょうか。

でも、この映画では違和感はそんなには感じませんでした。エジプト人の女性を演じた女優さんの演技が素晴らしかったのと、三浦君が全く外国人に臆することなく演じていたせいでしょう。

男の子の場合、10歳くらいまでは物怖じや人見知りしない子が多いので、それも幸いしたのかもしれません。

■エジプトの発掘品は誰のもの?

さて映画の内容は先の見えるものでしたが、舞台となるエジプト王墓の発掘について若干気になりました。まず吉村作治先生のこと。原作は吉村先生の作品だそうです。

本人が出演されて、演技をしているのですが、映画の早々で死んでしまう役だったとは。やはり映画スタッフとしては、吉村さんの演技を長く引っ張るのはイヤなので、早々に退場して貰ったのでしょうか。

もう一つ。エジプトで発掘した出土品を狙う連中を悪人として描いています。勿論それはその通りです。でも吉村先生を初め日本人の学者達が発掘したものを、まるで「日本人のもの」のように考えていいのでしょうか。学者の先生達は当然そんな意識は無いと思いますが。

でも日本のメディアはともすれば、そんな意識が見え隠れするような気がします。エジプト人にしてみれば、この映画の悪党連中も、日本人の発掘隊も大差ないのかもしれませんよ。





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