好き(クリックシネマ) (2000年)

少年映画評価 6点
作品総合評価 5点
少年の出番 33%(全3話中の1話)
お薦めポイント 田中麗奈さん主役の3話。1話に少年との交流
映画情報など 2000年公開。DVD発売中。(写真は島村祐成君)


ノースエンド先生の部屋の中の番外編「日本映画の少年(その1)の中で取り上げられた作品です。当時は知らなかったのですが、ノースエンド先生に紹介されて、DVDで鑑賞したものです。

クリックシネマと称してインターネットでも公開された作品とのことですが、当時はそんなに高速ネットが普及していなかったように思います。私の家では、当時最新のISDNを導入しましたが、動画なんてとても無理。テレホーダイになる23:00には熾烈な接続争い。今となっては懐かしい。

映画は、当時若手女優の中でもフレッシュで輝いていた田中麗奈さん(今でも輝いています)を主役に、30分の短編映画を3本オムニバス形式にしたものです。1958年、1981年、2000年の時代背景で、監督はそれぞれ異なりますが、田中麗奈さんのキュートな魅力がよく出ています。

このうち、第2話の「波」で、準主役として少年俳優が登場。但し、この第2話のみ、動画ではなく静止画(紙芝居)なのが残念ですが、画像は大変美しく印象的でした。

■ストーリー

第1話「チャーシュー麺」 監督:本田昌広
昭和33年が舞台。中学卒業後、集団就職で上京した娘(田中麗奈さん)は、ラーメン屋で働いている。そこへ追われて逃げてきた、若い暴力団のチンピラを逃がしてやったことから、チンピラとの恋のようなものが始まり、そして終る。

第2話「波」 監督:鋤田正義
1981年。江ノ島の海が見える小学校に新任教師(田中麗奈さん)が赴任してきた。クラスにいる海ばかり見ている少年(島村祐成君)が気になり、夏休みに少年の家を訪問する。そしてひと夏を少年と過ごし、少年の父親に恋心を抱くが、夏が終わると少年一家は去ってしまった。

第3話「テンカウント」 監督:長澤雅彦
2000年。若いOL(田中麗奈さん)が、ふとした事から、夜中にトレーニングするボクサーの男と知り合う。やがて、ボクサーの男は網膜剥離であることが判明し、引退することになる。

■全般的に丁寧な作りの作品でした

このような短編映画は、予算的に苦しいものが多く、作りがチャチになるものですが、意外にしっかり出来ていました。特に昭和33年が舞台の第1話。町並みや家具、電化製品なども、当時に近いものを集めています。これには感心しました。

「Always三丁目の夕日」と遜色ない、と言いたいところですが、一点残念なのは、チンピラの平成風の髪型。当時のヤクザなら角刈りでしょう。あるいはチックとポマードで塗り固めたリーゼント(私はそんなの知りませんけれど。何度も言っておかないと)

また、田中麗奈さんの眉毛も、昭和33年には、こんな人いなかったのでは?との疑問もありますが、これは、田中麗奈さんのトレードマークですから、仕方ありませんね。

■第2話「波」の島村祐成君

さて、いよいよ本レビューのメインである少年俳優の話ですが、もう演技や映画の内容については省略します。彼の写真だけ数点掲載しておきます。2000年製作ですが、1981年が舞台との事で、昔懐かしい短いショートパンツ姿が、新鮮でした。

江ノ島、湘南海岸の美しい風景をバックに、少年と田中麗奈さんの交流。静止画カットによる紙芝居ですが、次第にそれも美しく感じられてきます。カメラを弄んだり、短いショートパンツで逆立ち。昔のテレビ「あばれはっちゃく」を思い出したりして。

カメラをかまえる少年
海で。田中麗奈さんと少年





▼イーストエンド劇場へ戻る   ▼少年映画第3部へ戻る