ごめん (2002年)

少年映画評価 5点
作品総合評価 6点
少年の出番 100%(主役)
お薦めポイント 下ネタ満載のドタバタ少年記
映画情報など 2002年公開/DVD発売中
(写真は、主役の久野雅弘君)


コテコテ、ベタベタの関西少年の奮闘記。性に目覚めた小学生が、戸惑いながらも、全力で駆け抜ける、ドタバタ成長記です。

■ストーリー

小学生のセイ(久野雅弘君)は、クラスの中でも早くに精通を迎えて、大人になってしまった。ある日、京都の漬物屋で、年上の美少女に一目ぼれ、それからというもの、アタックに次ぐアタックを繰り返し、大阪から京都まで自転車で走ったりと、大奮闘の物語。

■主演は久野雅弘君

恥も外聞もかなぐり捨て、ブリーフ1つになったり、精通に戸惑ったり、本当に体当たりの熱演でした。最初はそんなに可愛いとは思わなかったのですが、映画終盤には、すごく可愛くみえてくるのが不思議です。

これも東京は「テアトル新宿」で鑑賞しましたが、大阪出身の自分にとって、関西弁少年の熱演が、何となく恥ずかしくもあり、懐かしくもあり、複雑な気持ちでした。

監督は、冨樫森氏で、こんなにベタベタの関西映画を撮れるので、関西人かなと思っていましたが、実は東北かどこかの出身の方でした。後年、実写「鉄人28号」も、このノリで撮ってしまい、色々批判されてしまいました。

母親に河合美智子さん、父親に(今や関西、いや日本を代表する俳優の)國村隼さんなど、安定感のある俳優さんを配して、作品を締めています。また、京都大学名誉教授だった森毅先生がトボけたお祖父さん役で、いい味を出しています。

■不満が残る脚本

小学生が精通したからといって、女の子をただひたすら追いかけるってのはリアリティがあるのでしょうか(映画的には面白いかもしれませんけど)。小学生なら、女の子よりも前に、趣味、スポーツ、不思議、将来、野望、夢、ロマン、そんなものを必死になって追いかけるような、ある意味オタクでも構いません。そんな少年を描いてほしい。

何かにこだわりを持つ、何かを創造しようとする、野望を持つ、大きい事をやりたい。そんな少年が日本には少なくなっているように思います。楽な方へ流される、快楽のみを追求する。そんなことを奨励するような映画だったと思うと、見終わった後、少し虚しくなりました。

■作風には好感

少し辛口になってしまいました。久野君の体当たり演技や、全体の作風はパワフルで、大好きな作品です。それだけに、女の子以外に、もう1つ違うテーマを加えて欲しかったと思っています。

ただ、1つの作品に色々なものを詰め込み過ぎると、何が主題か判らなくなってしまうので、今回は「サカリのついた久野少年」にフォーカスして、面白おかしく作ったのは、正解だったのかもしれませんが。





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