青空へシュート! (2002年)

少年映画評価 7点
作品総合評価 5点
少年の出番 90%(準主役2人)
お薦めポイント 文部省推薦とは思えないインチキ作戦
映画情報など 2002年公開/DVD未発売


■典型的な「がんばれベアーズ」系映画

にっかつロマンポルノの映画監督すずきじゅんいち氏が、ポルノから一転して、文部省推薦映画を制作。弱小スポーツチームを変身させていく典型的な物語ですが、ポルノ監督ならでは?の少しの「ひねり」も入っています。

■ストーリー

いつも負けてばかりの弱体少年サッカーチーム「ラスカル桜台」その母体となる小学校に、スポーツマンの今岡先生(宍戸開さん)が転任してくる。そして早速、サッカーチームのコーチを任されることになる。

しかしサッカーの基本も出来ていない生徒ばかりで頭をかかえる中、別の強豪チームにいた少年、山田大輔(渋谷謙人君)が入部する。大輔は、運動能力は抜群なものの、わがままなワンマンプレイばかりするので、監督と衝突し、そのチームを止めてしまったのだった。

さらに転校生の寺島悟(三觜要介君)も、父の反対を押し切って入部することになり、メンバーは増強されるが、チームの実力はなかなか上がって来ない。父兄の圧力もあり、このまま負け続けることができないプレッシャーに陥った今岡コーチは、なんとインチキ作戦を思いつき、メンバーに授ける。

これが奏を功し、チームは得点し、すこしずつ勝ちの形がみえてくる。しかしインチキはインチキ、またチームのエースストライカーの大輔は、相変わらずワンマンプレイばかりでは、真のチームワークは出来ない。それでも、試合の中で徐々にメンバー同志のチームワークが生まれ、ワンマンプレイは影を潜めていき、とうとうコーチの出すインチキ作戦にも反対を唱える。

そして地元の大会で、大輔が元所属した強豪チームと対戦する。ラスカルはインチキ抜きの実力で、互角に試合をし、PK戦にもつれ込む。最後に、悟の放ったPKはバーに当たって負けてしまうが、チームに真の友情が芽生えたことをみんなが認識する。

■少年俳優が多数出演(渋谷君、三觜君、山内君)

この映画の主人公は、残念ながら今岡コーチを演じた宍戸開さんでした。TVドラマ「熱中時代」の水谷豊さんのような役柄で、少年達との話だけでなく、ラブストーリーなども交えています。

準主役は渋谷謙人君でした。わがままなサッカー少年が、チームワークに目覚めていく姿をよく演じています。サッカーも上手そうで、運動神経抜群に見えました。

渋谷君は、NHKドラマ「どっちがどっち」で、女の子に入れ替わった役しか見ていませんでしたので、硬派少年役に違和感がありました。(映画を観たのはNHKドラマの後、かなり時間が経ってからのため。)

三觜要介君は、主にTV子役として活躍されていたようで、ネットで検索するとファンサイトなどもあります。残念ながら私は殆ど知りませんでしたが、この作品では出番は少ないものの印象的な役をこなしていました。

山内翼君は、劇団四季の「ライオンキング」でヤングシンバ役を務めた少年俳優で、ネットを検索すると、歴代の同役を勤めた子役のの中でも評価が高いようです。今年こそ「ライオンキング」を鑑賞しようと心に誓っています。

スカパーのキッズステーションの情報番組に、山内君が出ていたのを何回か見ましたが、子供とは思えない落ち着いた品のあるレポートで、注目していました。その後はどうされているのか判りませんが、きっといい俳優さんになっているのでは、と期待しています。

■その他、雑感

あまり言及しませんが、この映画でもサッカーチームに女の子が2人いますが、珍しいことに、女の子にスポットが全く当たらず、ほとんど無視状態でした。(最近の映画ではこうはいきません)私としては、それが自然で良かったと思っています。

この作品を観たのは、スカパーのチャンネルNECOという放送局で、当時は主に日活系の作品を放送していました。この手の映画は興行として劇場公開されることは殆どないようです。学校や公民館で教育的に上映されるようですが、そんな所にツテはありませんので、スクリーンで見るのは困難。DVDも発売して欲しいのですが、無理でしょうか。





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