ベースボールキッズ (2003年)

少年映画評価 8点
作品総合評価 5点
少年の出番 100%(主役)
お薦めポイント 落合君と大高君の特訓シーン
映画情報など 2003年公開/DVD発売中(写真は、落合扶樹君)


今や「木更津キャッツアイ」で、千葉県のオハコになった野球もの映画。でもないか。こちらは普通の児童劇映画で、キャッツアイと違って地味で知名度もなし。

■ストーリー

主人公は千葉県のある少年野球チームの下手クソな少年(大高力也君)で、いつもエラーばかりでチームのお荷物。ある日、凄い球を投げる少年(落合扶樹君)がチームに入ってくる。彼は素晴らしい才能を持つのに自慢もせず、下手な大高君に暖かく接し、ユニークな方法で特訓してあげるなどチームに溶け込もうとする。

それを気に入らないのが、元からいたエースの少年(佐保祐樹君)。エースピッチャーの座を落合君に奪われた後は、チームOBの不良少年に相談して暴力をふるうなど、落合君の追い出し作戦を展開する。

とうとう「落合君の母親が犯罪で逮捕」とのデマを流し、チームの父兄は、監督に落合君の排斥を要求するに至る。しかし監督は了承しない。なぜなら落合君は施設出身で母親などいないからだ。

■落合君

落合君は野球ができて、ルックスもよく、性格も優しいという非の打ち所のない理想的な野球少年に描かれており、下手糞な大高君のために2人だけで特訓するシーンは、なかなか良くできていたと思います。ただあまりにも優等生すぎて、かえって印象に残らない。もう少し人間的な葛藤なりも描けばよかったのでは。

これはネタバレになってしまいますが、濡れ衣を被せられた落合少年が、どのように疑いを晴らし、みんなと和解させるかに、脚本の腕が要求されるはずなんですが。なんと、全く唐突に事故死させてしまうのです。これはズルイ。う〜ん、こういうのを都合のいい脚本というような気がします。

■DVD特典映像

残念ながら、この作品は劇場公開時には観れず、DVD鑑賞となりました。メイキングでは、子役のオーディションシーンがあり、落ちてしまった子の中には、TVなどでよく見かける子役がいるのが印象的でした。

野球という実技がいるので、演技力だけではないのでしょうが、落ちた子もしっかり映すのはちょっと可哀想な気もします。本人はいい記念なのかもしれませんが。

メイキングで一番印象に残ったのは、主役でも何でもなく、セカンドを演じた村田将平君。演技やセリフの練習もせず、メンバーを集めて変なダンスに夢中になり、最後にスタッフにダンスを披露するシーンは、非常にお茶目でした。(※村田君については第1部の「千年火」で活躍を紹介しています。)

■「バッテリー」と比べて

2007年に大きく公開された、あさのあつこ原作の「バッテリー」に比べると、映画としては全ての面で劣るとは思います。こちらは完全に子供向け作品なので、大人女性向けも意識した「バッテリー」と比べること自体が、意味ないかもしれません。

ただ、キャストが「バッテリー」では中学生に見えない半分大人に比べ、こちらは本物の少年達が活躍している点が、唯一のポイントだと思います。





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