20世紀少年 最終章 ぼくらの旗 (2009年)

少年映画評価 5点
作品総合評価 5点
少年の出番 30%(回想場面で)
お薦めポイント やっと謎が解けます。
映画情報など 2009年公開/DVD発売中
(写真は主役ケンヂの少年時代を演じた西山潤君)


2009年8月29日、ワーナーマイカルシネマズ大日(大阪)にて鑑賞。先週に引き続き、同じ系列ワーナーマイカルのシネコンへ。第1章、2章を連日放映するなど、日本テレビ系列のキャンペーンもあり、かなり混雑が予想されましたので、かなり早めにチケット売場へ行きました。なんとか第1回目の席を確保し、上映までの時間は喫茶店で休憩です。

■ストーリー

カルト団体「ともだち」が政権を取り独裁的な政治を行っていた。東京は高い壁で囲まれて隔離され、特別な昭和ワールドとなっている。行方不明のケンヂ(唐沢寿明さん)の姪カンナ(平愛梨さん)が、政権打倒の行動を起こし、それに応えた民衆が野外コンサートに集まってきた。そこへケンヂが戻ってきた。そして「ともだち」との対決の時を迎えた。


■秘密が明らかになる。今ひとつですなあ

第2章の出来が今一つでしたので、そんなに期待することなく、単に「どのような結末を迎えるのか」を見たいだけでした。結果的には、う〜ん、何ともいえない、あっけない結末でした。ちょっと言いにくいのですが、これは映画ではない!と認識しました。

テレビのスペシャル番組を、放送ではなくて、大スクリーンでみんなで見ようよ!というようなイベントじゃないでしょうか。別に批判しているのではなく、そういうようなエンターテイメントの形式もありだな、と思います。(ちょうどワールドカップサッカーをパブリック・ビューイングするような感じです)

第1章は結構ワクワクさせられたんですが、色々と大きく張っていった話は、伏線とはならず、行き当たりばったりに収束させてしまったような、穴だらけの脚本でした。例えは悪いですが、太平洋戦争で自らの力を過信して戦略不在のまま戦線を拡大し、崩壊してしまった旧日本軍みたいなもの。(ちょっと言い過ぎ。ごめんなさい。)

しかし前述したように、これは映画ではなく新しい形のテレビ放送と思えば、そんなに目くじらを立てなくても、その瞬間、瞬間が楽しめればいいんです。そういう意味では本当に楽しめました。キャストも豪華ですし、昔のドリフの全員集合を大掛かりにしたようで、面白かったですね。

少年俳優では、ケンジの少年時代を演じた西山潤君が、全3作にわたって出ずっぱりの好演です。スクリーン一杯にお顔がアップされるシーンも数多くあるんですが、全く話題にもなりません。パンフレットにプロフィールが載っているだけ。製作者の皆さんも、もっと子役さんをねぎらって欲しいものです。

キャスト一覧をみていますと、子役見本市みたいに大勢が出演していますが、今回期待していたのは広田亮平君。磯野カツオ役という、ふざけた役ですが、もっと活躍するのかと思ってましたけど、ほんの数カットだけ。かなり残念です。しかもカツオのお姉さんサナエ(福田麻由子さん)の添え物的な扱いでした。姉弟役で出番は同じなのに、パンフにプロフィールがあるのは福田さんだけ。広田くんはスルー。

しかしサプライズだったのは、エンドロール終了後の特別版に、神木隆之介君が出てきたことです。もう色んなサイトでネタバレが出ていますので、ここでは述べませんが、神木君が出てきただけで画面にオーラを感じました(私だけかもしれませんが)。3人の少年俳優、西山君、広田君、神木君が活躍する本当の「21世紀少年」を誰か作ってくれませんか。

サプライズで登場した神木隆之介君。彼が・・だった。(右は中学生時代のケンヂを演じた田辺修斗君)

これで20世紀少年3部作は終了ですが、未見の方にお薦めするなら、第1章>>>第3章>第2章の順。女性の方には本当に申し訳ございませんが、カンナという女性キャラが前に出てきたのは失敗だったのでは、と思います。もちろん原作がそうなので、これは仕方ありませんが。

映画の中ので、カンナに向かって「ともだち」が言い放つセリフ「ぼくが20世紀少年なんだよ」これが何ともいえず痛快でした。





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