Beauty うつくしいもの (2009年)

少年映画評価 7点
作品総合評価 6点
少年の出番 30%(少年時代のみ)
お薦めポイント 少年2人の歌舞伎シーン。
映画情報など 2009年公開/DVD発売中


2009年4月12日、第七藝術劇場(大阪)にて鑑賞。

4月に入って初めての映画鑑賞です。3月後半から仕事関係で心労が続いていましたが、やっと少し余裕が出てきて、映画館に行けるようになりました。たまたま予告編で見て以来、非常に気になっていた作品でした。上方歌舞伎役者が主演とのことで、ロビーにいた観客の9割近くは女性。まあ女性といっても年輩の方ばかりなので、全く気にせず、最前列で鑑賞です。

■少年時代編

主人公は祖父と2人、山の中で暮らす少年(釣りキチ三平と同じような境遇)。村歌舞伎を見て、歌舞伎に魅了される山の少年。その少年に一目惚れ?してしまった花形子役の少年。やがて2人の少年は、歌舞伎の男女役を演じるようになり、その関係は恋人同志以上のものになっていく。


いや大変良かった。2人の少年俳優。セリフは、やや棒読みの部分もありましたが、まあまあの美形ですし、2人が手を取り合う場面が印象的です。初めての舞台で緊張する山の少年、その手をそっと握り「板(舞台)の上では2人はいつも一緒だから」と勇気付けるもう一人の少年。数十年後、立場が逆転してこのシーンが蘇ることに。

大きな御神木に顔をうずめる少年、それを見て同じように顔をうずめる少年。その時、2人の手がそっと重なる。(8年程前のTVドラマ「YASHA」で似たシーンがありました。当時の美形子役、鈴木藤丸君と遠藤雄弥君)

■青壮年時代編

耽美的だった少年時代編はあっという間に終り、2人は20歳に。演じるのは片岡孝太郎さん、片岡愛之助さんという上方歌舞伎役者。さすがに歌舞伎だけでなく演技全般の安定感は抜群です。しかし違和感があり過ぎです。

まず、お2人とも40歳に近い年齢ですので、子役からの変貌ぶりが唐突すぎます。貫禄つきすぎて耽美的な部分が大幅減になってしまった。出征、終戦、シベリア抑留と続きますが、寒さと重労働、飢えや病気で次々と亡くなる仲間達。しかし出演している役者さんは、みんな中年太りみたいな体型。これでは説得力ありませんよ。

と、色々文句を書きましたが、2人が再会して再び舞台に上る。やっぱり感動で少し涙が出ました。

■老年時代編

20歳には違和感があった片岡孝太郎さん。でも70歳?くらいの老人役は、素晴らしい緊迫感を持って演じておられました。本当の老人に見えました。サスガです。ここまで言及しませんでしたが、2人に少年時代から絡んでくる女性(麻生久美子さん)がいます。でも彼女の老女姿だけは無理です。美人過ぎます。肌が美し過ぎます。(志村けんのバカ殿に出てくるような、お笑い時代劇みたいで、ちょっと残念)

■まとめ

色々突っ込み所もありましたが、素晴らしい作品だと思います。あまり上映している場所もないようですが、お近くの劇場でやっていたら是非ご鑑賞下さい。





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