RAFT (2010年)

少年映画評価 7点
作品総合評価 5点
少年の出番 90%(準主役)
お薦めポイント 男と少年。筏に乗ってどこへ行く。
映画情報など 2010年公開/DVD発売なし(写真は吉岡澪皇君)


2011年8月24日鑑賞。短編が中心の自主映画をまとめて上映する「MOVIE LOVERS FILM FES 2011夏」が、8月20日から7日間、大阪のシネ・リーブル梅田で開催されました。毎晩21:00からのレイトショー。

8月24日は、文化庁が進める若手映画作家育成プロジェクト(ndjc)として2010年に制作された5本のうちの3本が上映されるとの事で、会社が終わって夕食を食べて(少しビールも飲んで)梅田まで出かけました。平日の夜遅くとあって観客はまばら。クールビズとは言えサラリーマン姿のおじさんは私一人。浮いていても気にしません。

ずばり目的は吉岡澪皇君が出演する「RAFT」。他の2本は申し訳ありませんがオマケとして鑑賞。北野武さんの映画「アキレスと亀」主人公の少年時代を演じた吉岡君がどんな少年俳優になっているか。

■ストーリー

男(筧利夫さんはドラム缶筏を作りに海辺へきた。今年で3回目だ。そこへ中学生の少年(吉岡澪皇君)がやってきた。少年は筏作りを手伝わせてくれという。男は無視したが少年はおずおずと手伝い始める。

男と少年の間に微妙な空気が流れる。実は男の息子は3年前に筏で海へ出て行方不明になっていたのだ。その時息子と一緒に筏を作ったのがこの少年だった。しかし少年は筏に乗らず生き残り、息子は行方不明。男は少年に対して何を思うのか。

■微妙な空気感が秀逸

たった27分の短編。大きなストーリーの中のある一場面を切り取っただけという印象です。逆に言えば、この映画の前にもドラマが、また映画の後にドラマが続くという広がりが感じられます。

吉岡澪皇君ですが、終始感情を顔に出さない能面のような表情。これは「アキレスと亀」の時と同じでした。ただそれが持ち味になっているんでしょう。雰囲気は抜群でした。少年特有の折れてしまいそうな細長い肢体。なぜか奈良の興福寺にある国宝の阿修羅像を思い出しました。顔ではありません。その肢体。

上映終了後、監督の三宅伸行さんの話がありました。本当は少年を主人公とした長編映画にしたかったこと。またオーディションで吉岡澪皇君を見て一目惚れしたことなど、短い時間ですが興味深い話を聞くことができました。

雑誌「映画撮影」より

少ない観客の中でトークショー。場違いなサラリーマン中年の私が最前列に一人。若い三宅監督に何か声をかけてあげたかったけれど出来ませんでした。(根性なし)

さて本作品は簡単な紹介サイトがありますが、他に何か情報がないかと検索していると「映画撮影」とい雑誌があり、その188号の表紙がなんと「RAFT」の撮影風景だという事を知りました。

「映画撮影」なんて雑誌知りません。Amazonでも該当なし。日本映画撮影監督協会の発行とありますから、映画関係者の専門誌のようでしたが、通販サイトがあり一般人でも購入することが出来ました。No.188と189に続けて「RAFT」の記事が載っており参考になりました。

■その他のndjc作品について

ndjc2010では5本の短編が制作され、今回はその3本を鑑賞できたのですが、今回見れなかった作品でどうしても見たいものがあります。映画「おとこのこ」。主演が清水尚弥君と吉原拓弥君。2人とも高校生になっていますが、どんな演技をしているのか本当に見たい。

またndjc2009にも少年映画が2本。24日はndjcの事務局の方もおられたので過去作品含めてDVD化の要望を出しておけばよかったなあ。(追伸。映画「おとこのこ」は10月の第1回浦和映画祭で見ることができました。そちらのレビューもご参考にして下さい)





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