レミングスの夏 (2016年)

少年映画評価 5点
作品総合評価 4点
少年の出番 100%(前田旺志郎君の初主演作との事)
お薦めポイント 前半のミステリアスでテンポの良い展開
映画情報など 2016年製作。DVD発売中
(写真は準主役の菅原麗央君)


ツタヤの新作コーナーでたまたまDVDを手に取ってレンタル。原作は有名なミステリー小説ですが、全く知りませんでした。既に数々の映画に出演している前田旺志郎君ですが、初の主演映画というのが楽しみ。

主人公の少年少女たちは14歳という年齢設定。前田旺志郎君の実年齢は少しオーバー。それでも本当に主役を張れるほどの存在感のある俳優になったもんだと...つくづく感じました。

ただ原作を読んでないと、本作の仕掛け・伏線とか、少年少女たちの行動の意味が全く理解できません。なので最後のあっけなさ。なんじゃコレになってしまいました。

ナギとアキラ。映画は実質この2人の物語といってよいでしょう。
(前田旺志郎君は本当に逞しくなったなあ...14歳にはみえないけれど)
■ストーリー

南木秀平(前田旺志郎)はナギと呼ばれる中学2年生。14歳の誕生日を前にナギはある計画を行動に移した。その計画にアキラ(菅原麗央)をはじめ5人の男女が加わった。まず上級生の宏美を誘拐して空家に監禁した。宏美の父は大企業グループの会長。そして身代金ではなく奇妙な3つの条件を提示した。

6年前、ある少女が変質者に殺害された。犯人は未成年で刑事罰は受けないまま社会復帰(ここは管理人の推定)。ナギたち6人はその少女と大の仲良しグループだったのだ。そして犯人への復讐のために計画を練ってきた。

誘拐事件の担当は6年前の事件も担当したベテラン刑事。ナギたちの事も知っている。誘拐犯の捜査は難航して迷走する中、刑事はナギからのメッセージではと思い始める。そして終局。ナギが少女殺人事件の犯人を殺害しようとするが、寸前で刑事が阻止。ナギは逮捕された...

■もう少し親切な脚本にして欲しかった...

ミステリーなのでネタバレはご法度ですが。要は少女殺人犯への復讐物語。この復讐への思いはナギが最も強い感じです。それなら単独でやった方が成功率は高いと思うのですが。同じように復讐心があるとはいえ他の少年少女を巻き込む必要はないのでは...(共犯者が多いほど裏切りもあってバレやすい)

原作では5人でやるべき理論武装があるのだと思います。でも本作品のラストをみると、ナギ以外の4人の必要性が感じられません。ナギだけが1足早く14歳。この事件ではナギ1人が責任を負って家裁送致。これも伏線だと思うのですが、映画では判りません。脚本力不足かなあ(すみません監督さん)

とはいえ前半の息をも継がせぬ展開はさすが。まるで天に召されていくように思いつめた前田旺志郎君の表情が素晴らしい。グループをレミングスと名付けて粛々と行動に移す。なにかオカルト的な事象が起きるのかなあ...なんて期待も持たせます。

■キャストなど

女子は美少女揃い。全員ヒロインが出来るくらい。一方で男子は地味メンのみ。まあイケメンと美少女ばかりだと(少女漫画原作)キラキラ映画のような薄っぺらい作品になってしまう事を考えれば、このキャストで正解だったと思います。

主役の前田旺志郎君はイケメンではありませんが、どこか石原裕次郎さんか緒形拳さんのような存在感。これからどんな役をやるのか楽しみ。出番では前田君以上に多かったアキラ役の菅原麗央君。14歳そのままの幼さを含んだ個性的な表情が印象に残りました。

最後は大人になったナギとアキラの再会。スタンド・バイ・ミーの世界。やはり14歳といえば、「14TEEN」とか「14の夜」のように、女子抜きの少年たちだけの世界の方が好きですねえ...

5人の少年少女がある計画を行動に移す
(グループ名はレミングス。どこか悲壮な名前)
6年前。大の仲良しだった少女が殺害された
(8歳の子供たちが遺体の第1発見者とは...)


6年前の犯人を監視するナギとアキラ
(犯人は一応社会復帰。しかし絶対再犯するはずだ!)
プールでも犯人を監視する2人
(犯人はプールサイトで少女を物色している)


いよいよ決行の日が近づいてきた
(こうしてみると前田君もイケメンですなあ)
犯人に襲いかかるが刑事に阻止された。
(左は刑事。ちなみに犯人は長髪のオタク風若者)


(番外1)6年前の仲間の1人ヒカル(佐藤光将)
今は不良連中とつるんで、ナギ達とは距離を置いている
(番外2)ヒカルも実は苦悩していた
(佐藤光将君はイケメン。もっと出番が欲しかったなあ...)






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