子供は天使ですか (2017年)

少年映画評価 7点
作品総合評価 5点
少年の出番 95%(主役です)
お薦めポイント 生意気な少年と情けない中年男。意外に相性がよくて
映画情報など 2018年公開。未メディア化。Amazon videoで配信
(写真は主役の伊藤悠翔君)


2018年7月に新宿のケイズシネマで開催されたMovies-High18で上映された54分の中編作品。昔なら東京まで出かけて鑑賞したのですが、気力や財力がなくなり残念に思っていた作品です。

2020年10月にAmazon prime videoで配信開始。私はprime会員なので無料で視聴できました。でも出来るなら手元に置いておきたい作品。DVDかBDを発売して欲しいところです。

ロケ地は群馬県の中之条町。四万温泉のある風光明美な町。落ち目の子役と情けないオッサンが...
■ストーリー

広志(岡部たかし)は独身中年男。一度も働いた事はなくヒモ生活をしているが、今の彼女が妊娠。決断を迫られて一旦は群馬の実家に戻る。実家は学習塾。そこへ1人の少年シュンタ(伊藤悠翔)がやってきた。人気子役だが勉強が遅れており夏休みにお忍びで勉強するため、祖母の家に滞在しているという。

どういう訳か広志がシュンタを教える事になった。一筋縄ではいかない生意気なシュンタに振り回される。しかし次第にシュンタの実情が判ってきた。役を干された落ち目子役だった。ヒモ男が偉そうに言えないが、シュンタを励ます。シュンタは何も変わらない?まま東京へ帰っていった...

■子役の世界も大変...

広志から差し入れのメロンパンを貰ったシュンタ。袋をみて450kcalもある。これは食べられない。マネージャーに叱られる。ええ?育ち盛りの子供なのにカロリー気にするの?女の子なら判るけれど。

その見返りとしてシュンタは大人も驚く程の収入。祖母の家に滞在は嘘で、実はこっそり有名な四万温泉のホテルに長期逗留。それもシュンタのポケットマネーで。(これは今では疑問符。出演料は事務所の収入?で子役には僅かな手当てだけ。それどころか逆にレッスン料を徴収されたりとか...)

■♪あなたって、手も握らない...

もう一人の主役は岡部たかしさん演じる中年男。これが情けないオッサンなんですが全く憎めない。本当にいい味を出しています。子供のシュンタにさえヒモとか役立たずとか言われても怒らない。逆に「俺はプロのヒモだ」と開き直る。

社会は一生懸命働くヤツだけじゃだめなんだ。怠けるヤツも必要なんだ。そんな風に落ち目の少年子役を励ますオッサン。とんでもない理屈ですが、よく考えてみると正しいのではと思えてきます。

シュンタが顔を伏せて泣きそうになった時、オッサンは抱き寄せるのかと思ったら全く手も触れません。せめて手ぐらい握って...でもこれは演出なんでしょう。少年とオッサンは最後まで心を通わせないまま別れたようにみせて、実は2人とも大きく影響を受けていた。そんなラストでした。

中之条駅からタクシーでやってきたシュンタ
料金1000円余り。1万円札で釣りは要らない!
なぜか中年のヒモ男に勉強を教えて貰う事に
(この辺りの脚本はやや説明不足でした)


シュンタに執拗に絡んでくる地元の糞ガキ
(嫉妬しているのでしょうがシツコイのです)
オッサンは真剣に教えたのだが...
実はシュンタが勉強出来ないというのは嘘だった


なぜ判ってくれないんだよ!
(本当は子役の仕事や東京から逃げたかったんだ)
オッサンとの別れ。オッサンを見上げるシュンタ
メロンパン不味い。最後まで憎まれ口だったが...


シュンタが演じていた子供ヒーロー
(なかなか決まっていてカッコイイ)
ラストシーン。テレビには予告編が...
(シュンタは復活。オッサンの励ましが効いたのか)



※後記
シュンタは日曜朝8:30からの特撮ドラマの主役だったという設定。実際には子役主役なんてあり得ません。この時間は戦隊モノと仮面ライダーですが、どちらも若いイケメンや女性の登竜門。強いてモデルと言うなら映画撮影時期に放送していた宇宙戦隊キュウレンジャーの小太郎(田口翔大)か。でも主役とは程遠いし..





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