大きな桜の木の下で (2008年)

少年映画評価 B+
作品総合評価 B-
少年の出番 100%(主役)
お薦めポイント 小学生男女の可愛いラブストーリーだったのに...
映画情報など 2008年、公開。DVD等の発売なし。
写真は主役の森永悠希君。


本作品もまた、吉本興業の芸人が映画を製作した YOSHIMOTO DIRECTOR'S 100 として製作された約35分の作品。前回レビューした『老人と木』と同じようなタイトルですが、本作の方がずっといい出来です。ただ最後のオチのおかげで作品が台無しになるのは同じ。

死んだ母に会いたい。そんなナオミにダイスケは桜の木を指差した。この桜をお母ちゃんと思ったらいいやん。

1982年。ダイスケ(森永悠希)は阪神の掛布とプロレスのスタン・ハンセンに憧れる小学5年生。仲間外れにされていた転校生の少女ナオミ(小酒井円葉)と友だちになった。ナオミは父と2人暮し。父は借金取りのヤクザから逃げるため転々としており、ナオミも転校ばかり。死んだ母に会いたい。それが夢。

ダイスケは1本の美しい桜の木の下に連れていき、これをお母さんだと思ったらええねん。ナオミも桜の木をみて頷いた。そしてある約束を交した。やがてまたヤクザに追われて夜逃げする事になり、ナオミは去っていく。そして1999年。ダイスケとナオミは桜の木の下にやってきた。約束を守るため...


いきなりネタバレです。ダイスケとナオミが交わした約束とは。
1999年に隕石が落ちてきて地球が滅亡するらしい。その時ボクは掛布みたいなバッターになってるから、落ちてきた隕石を打ち返したるねん。ナオミは横でその瞬間を見といて。

笑ってはいけません。当時の小学生は真剣だったのです。ノストラダムスの大予言。1999年のいつ、どこに落ちてくるかなんかは問題外。1999年の今月今夜、この桜の木の下で会おうではないか。(夜ではありませんが。)そんなノリでしょう。

そして、可愛かった小学生のダイスケとナオミ。19年後。2人とも見違えるよなブ◯○ク(すみません)になって。ダイスケはバットを構えます。さあ隕石が飛んでくるのか。どんなCGを見せてくれるのでしょうか。ああやっぱり...ドケチな吉本興業にCGを期待したのが間違い。

本作が素晴らしいのは何と言っても主役の森永悠希君。関西を代表する名子役の一人。セリフの表情も吉本興業の作品に出るのはもったいないくらい。メジャー作品では『しゃべれども しゃべれども』(2007)では重要な役、『プリンセス トヨトミ』』(2011)では主役クラスを演じました。

ダイスケの必殺技はウエスタンラリアット!
(スタン・ハンセンって覚えてますか...)
いじめっ子3人組。しかしダイスケにやられてばかり。
真ん中の子の顔にあるもの。犬のウ○コ。自業自得。


ナオミの家に行ったダイスケ。
ナオミはいない。あの桜の木の下に違いない。
ナオミとお別れの日。元気な言葉をかけるが...
次第に涙が出て止まらない(この演技は素晴らしい)


お別れの品は何も無いの。目をつぶって。
ナオミはダイスケにキス。夢のようで...
(おまけ)いじめっ子の一人がイケメン。
(中村凛太郎君だと思うのですが自信なし)



※後記
いじめっ子役の3人組もなかなかいい味を出していました。3人ともダイスケにウエスタンラリアットを2回もカマされてダウン。転校していくナオミにアドバイス。もしイジメられそうになったら、左腕をこう出して、ウエスタンラリアットをかましたれ。練習してみぃ。何ともお好きなことで...






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