あいつのブラジャーとぼくのパンツ (2022年)

少年映画評価 B+
作品総合評価
少年の出番 ほぼ100%
お薦めポイント 6年生になってもブリーフの少年
映画情報など 2022年国内映画祭で上映。有料配信中。23分の短編。
写真は主役のSEI君。


日本コメディ映画祭、東京青春映画祭、おおいた自主映画祭などで上映されて最優秀賞など、高評価を得た作品との事です。最近はこうした自主制作やインディーズ系の映画祭に行くことは無くなりましたが、配信で鑑賞できました。本当はDVDなどがあれば嬉しいのですが贅沢は言えません。

体育の時間、幼馴染のルカがヒデトの隣に座った。淡い期待に胸を膨らませるヒデト。

小学6年生のヒデト(SEI)の学校では今でも体育の着替えは教室で男女一緒。しかし幼馴染のルカは一人トイレで着替えており、ブラジャーをしているのではと噂が立つ。一方ヒデトは今でも白ブリーフ。それを友人たちに指摘され、6年生にもなって白ブリーフは恥ずかしいと気づく。

ボクサーブリーフを買って欲しいと言うが母親は拒否。そこで学校参観の日、ヒデトは男子の下着について思うことを作文にして朗読。しかし先生は不適切だと途中で止めた。これを機会に女子たちが男女一緒の着替え反対運動を始める。そんな騒動を尻目に、ヒデトが密かに感じていたルカへの初恋は終わった。


本作品をご覧になられた元小学校の先生おふたりは揃ってあり得ないと言われました。男女一緒の着替えなんていつの時代のことか。私の小学生時代を振り返ってみますと、なんと体育の着替えは小6でも男女一緒でした。但しプール(水着)の着替えだけは男女ごとに時間が別だったように思います。

タイトルはブラジャーとパンツとなっていますが、ほぼ白ブリーフのお話です。また私の時代で恐縮ですが、男子は全員白ブリーフでしたので、恥ずかしいなんて事は全くありませんでした。逆にオヤジ連中のゆるゆるの柄パン(当時はトランクスなんて言いませんでした)がダサくて不潔だと思っていました。

少年たちのブリーフ撲滅を目的としたプロパガンダ映画かなと懸念したのですが、やはり結果的にはそんな感じになりました。ヒデトの作文ではパンツは何をはいても自由だと言ってますが、本作をみた少年たちは確実にブリーフを嫌がるのではと思います(まあ、みなくても今は常識でしょうけれど)

主役ヒデトを演じたのはSEI君。これは芸名なのでしょうか、ネットを検索しても情報は見つかりませんでした。セリフはややぎこちない部分もありましたが、独特な表情が魅力的で印象に残ります。本作品にはピッタリな少年でした。

そして何よりも白ブリーフが似合うのです。カッコよく見えるのです。これは私の年代のせいでしょうけれど。またブリーフ少年が復活して欲しい(白である必要はありません)

※追記
本サイトを読まれた方から情報提供がありました。SEI君は SUPER FANTASY Jr. というボーイズグループに所属して、ダンスや歌の活動をしているとの事でした。また俳優の仕事もあればいいですね。


体操服に着替えるヒデト。
白ブリーフも全く気にしていなかった。この時は...
体操服も昭和風。短い短パンにシャツイン。
(今の小学校の体操服はどうなんでしょうか)


水泳教室のコーチにも白ブリーフの事を。
さらに低学年の子にまで言われて傷つくヒデト。
同居する祖母がボクブリを買ってくれると言ったが、
母が猛反対。余計な事しないで。嫁と姑の争い?


先生から出された作文の題は「最近思うこと」
こんな都合のいい題はありませんね。
クラス男子全員の下着を名前を出して作文発表。
先生は事前チェックしないの? プライバシー。
これも着替が男女一緒だからと女子が反発(関係無いのに)


女子たちが騒ぐなか。ヒデトとルカは教室の隅っこでヘッドホンを片方ずつ。
ルカは去っていくことになり、ヒデトの初恋はあえなく終わった。



※後記
本作では、ヒデトの父と祖父も今だに白ブリーフをはいている設定。しかもブリーフのまま歩き回って食事したりしています。これはめちゃくちゃ見苦しい。よく似合う少年がはくとカッコいいとはいえ、下着は下着です。やはりケジメは必要。下着のまま人前に出るのはマナー違反。ましてやいい年をした大人。

しかしトランクスや柄パンだと下着という意識が薄れるのか、家の中どころか屋外を平気であるく大人もいました。うちの亡父も晩年はそうでした。なお老人になると昔から褌ひとつで外へ出ることに抵抗はなかったようです。その点、白ブリーフが下着として恥ずかしさがあるのはメリットかもしれません。また汚れやシミが目立つのも、清潔にするのを促す効果があると思います。今や漂白剤入り洗剤などで簡単に落ちますし...

さてもう一つ。映画の中で登場する小学校の教頭先生。ヒデトたちの担任の女性教師が悩みを打ち明けているのに全く無視。事なかれ主義。私の一番嫌いなタイプの先生。こんな人が教育者だとは。もちろん映画の中だけのこと。監督さんは、実際の学校の現状をよく知らないまま作ったのかもしれません。





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