夏色浪漫 (1992年)

少年映画評価 0点
作品総合評価 3点
少年の出番 3%(主役は少年と思っていたら...)
お薦めポイント 戦時中と現代の少年(演じるのは少女?)の交錯
映画情報など 1992年製作/未発売
(写真はTV放送された画面から)


この作品を知っている人はいないだろうなあ。1992年、兵庫県は伊丹市を舞台に製作された幻想、平和、少年映画です。たった30分の短編映画で、突っ込みどころも満載ですが、なかなか気になる作品でした。

おことわり
本作主役の江尻有希さんは少年だと思って第3部に掲載していました。本作に関する情報が全く無いのですが、有希(ゆき又はゆうき)というは女子の名前との事(例外もありますが)。何度も見直した結果、男子であるとの確証が得られず、ここ4部に移動しました。江尻有希さんにつきまして情報を頂けると嬉しいです。

■ストーリー

伊丹市に住む小学6年生の重樹(江尻有希)は、夏休みのラジオ体操の帰り道、白いドレスに、白いパラソルをさした女性、夏江に声をかけられる。「重吉くん、時計を返して」重吉とは重樹の祖父の名前だが、なんの事かさっぱりわからない。

重樹は夏江に話を聞くが、全く要領を得ない。家に帰った重樹は、祖父の重吉にこの話をしたところ、信じられない!という顔をするが、何も教えてくれない。突然、重吉は無言で重樹の手を引き、ある病院へと連れていく。その病室に寝ていたのはシワだらけの老女、夏江の臨終の姿だった。その前で重吉は話をしてくれた。

重吉が重樹と同じ年齢だった頃、それは終戦の年。伊丹空港は軍事基地のため、何度も空襲を受けていた。重吉少年は、近所に住む夏江にほのかな恋心を抱いていたが、夏江は、ある軍人の将校と恋仲だった。ある日、夏江が軍人から形見の時計を貰う場面を見てしまった重吉は、嫉妬からその時計を盗むが、ちょうどその時、敵機の機銃掃射を受け、夏江は重症を負ってしまった。

彼女は命こそ取り止めたものの、その日から植物人間になり40年以上寝たきりとなり、今、息を引き取ろうとしている。この老女が、重樹に声をかけた若い女性、夏江の正体だった。

どろどろの夢の世界で足を
■ビデオを整理していて発見

さて今頃なんで、こんな映画を、ですが、実は過去に録画したVHSテープをDVDにコピーする作業を暇をみて行っているのですが、たまたまこの映画を録画したテープが見つかった訳です。

関西地区ではテレビ放映されましたので、ひょっとすると観た方もあるかもしれません。1992年頃までは、阪急グループがスポンサーになって関西テレビなどで、少年主役のTVドラマが結構製作されていた時代です。

少年探偵団、ズッコケ3人組、料理少年Kタローなど。もちろん女の子主役のドラマもたくさんありました。この映画もそんな阪急カラーの臭いがプンプンです。

でも90年代も後半になると関西地区の経済力と比例するように、地盤沈下してしまい、なかなか関西発の番組、ましてや少年ドラマなんて衰退してしまったように思います。

■主役少年?の気になる魅力

映画の内容はストーリーに記載しましたように、学校の怪談みたいな話を使って、平和の大事さを教える、教育映画です。特に、今は国際空港ではなくなってしまいましたが、大勢の人々が旅行する平和の象徴のような伊丹空港が、実は軍事用の空港だった事を知らない人も多いだろうと思います。

まあ、映画は作品性に乏しいのですが、目を引いたのは、この映画で主役を演じたのは江尻有希さん。セリフや演技は素人丸出しで、とても評価できたものではないんですが、顔や表情に女性的な魅力があります。
(このあたりも少女であると判断した理由の一つです。)

たぶん、この作品が今後メディアで上映や販売されることはないと思いますので、今回はキャプチャーした画像をサービスで引用させて頂きます。(実はVHSビデオが販売されていたそうです)

現在の重樹役の江尻さん。なかなかイケメン
(でも女子と言われれば、そう見えてきます)
ロケ地は伊丹市内のようです。
(脚は少年にみえます。若干お尻が大きいので...)


戦時中の祖父 重吉が夏江の時計を奪って逃げる
(当時は完全な丸刈のはず。女子なので遠慮したのか)
実は、祖父重吉は夏江に恋してた?
(これは宝塚歌劇みたいなもの?)



※後記
いや、やっぱり江尻有希さんは少年だったと判明すれば、また元の3部に戻します。でもなぜ少女を少年役として使ったのでしょうか。ソプラノ声が必要な役でもないし。他に監督のお眼鏡に叶う少年子役がいなかったのかもしれません。残念ながら東京以外の地方(関西含む)ではよくあることです。
(少年だと思っていたのが少女だったりする映画作品は他にも数多くあるのかもしれません。)





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