レイクサイドマーダーケース (2005年)

作品総合評価 4点
少年の出番 10%(チョイ役)
寸評 冴えない推理ドラマ
【少年映画でない理由】出番が殆どない事
映画情報など 2005年公開/DVD発売済


人気推理小説家の東野圭吾氏の「レイクサイド」を、映画「EUREKA」でカンヌ映画祭で評価された青山真治氏が監督された「血統書?付き」の作品でした。実は小説は読んだ事はありませんでしたが、映画「千年火」の村田将平君が出演しているという事で、大変期待してたのですが、残念でした。

■ストーリー

やり手ビジネスマンの並木俊介(役所広司さん)は、山の中のある別荘へ到着した。そこには、彼の妻(薬師丸ひろ子さん)と娘、他に2家族が滞在しており、ある有名私立中学に入学させるため、特別合宿が開催されていた。

講師には目指す中学校の試験官である津久見(豊川悦司さん)を特別に雇い、本人の特訓だけでなく、父母の面接試験訓練も行う必要があるため、並木も忙しい仕事を工面して参加したのだった。

ところが、そこに並木の愛人、英里子が仕事と称してやってきたから、おかしくなってしまった。次の日、英里子は死体で発見され、並木の妻が殺したと自供する。こんなところで殺人があっては受験に響くと、他の家族が困惑し、英里子を湖に沈めて隠匿することになる。

しかし、並木は意外な事実を発見する。英里子の持物の中に、並木の妻と津久見が密談している写真があったのだ。実は、英里子は不正入試事件として津久見をマークしており、これをネタに英里子は並木の妻を恐喝していたフシがあった。

それでも並木は、現実を受入れるしかなかったが、ここで娘をはじめ受験生3人の様子がおかしいことに気がつく。英里子を殺したのは妻ではなく、3人の子供たちではないか。

■村田将平君は

さて、期待の村田将平君ですが、3人の受験生の1人として登場していますが、セリフは殆どなく、全くチョチョイのチョイ役でした。本当にがっかりでした。元々の小説が、受験というテーマながら子供の話ではなく、大人のミステリーだったので、映画で少年少女の活躍を期待する方がお門違いだったのだと思います。

ただ、大人の推理ドラマとしては、出来が今ひとつ、いや今みっつくらいでした。色々な批評サイトをみても「TVの2時間ドラマの方がもっとマシだ」というような厳しい意見もありました。それだったら、もうちょっと少年俳優を使ってくれたら、印象に残る作品になったのでは。青山真治さん、あなたはこの程度の実力の方だったのでしょうか。

■もし作り直すなら(妄想バージョン)

まず原作では並木(役所広司さん)の子供は「息子」であったのを、この映画では「娘」に変更したそうです。この辺りが何となく許せないのです。もちろん役所広司さんの息子に村田将平君をキャスティング。映画は全て村田君の視点で描きます。

但し殺人を犯したシーンは伏せておき、最後のどんでん返しで「実は僕が犯人だったんだ」と告白させて、観衆を驚かせる手法はどうでしょう。まあこれは推理小説の古典的手法ですけれど。「Yの悲劇」「シックスセンス」的な映画にした方が受けたのでは、と勝手に思っています。とはいえ、今の日本では、少年俳優では興行的に成功することは困難なのは仕方ありません。






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