星になった少年 (2005年)

作品総合評価 5点
少年の出番 100%(主役です)
寸評 実話に基く象使い修行物語
【少年映画でない理由】年齢オーバー
映画情報など 2005年公開/DVD発売済


■カンヌ栄冠後、初の主演作品

「誰も知らない」で2004年カンヌ国際映画祭最高男優賞を受賞。こんな衝撃的な俳優デビューを果たした柳楽優弥さん。カンヌ受賞作は芸術的色彩が強すぎて、日本では公開すらされないこともありましたが、この作品は柳楽さんが話題を呼んで、国内でもヒットしたと思います。(ミニシアター中心の公開なのに、約10億円の興行収入)

当然の如く柳楽さんは時の人になりました。当時、私もマスコミに潰されないだろうとかと心配しましたが、一時はその心配通りになってしまいました。しかしその試練を越えて、今や若手を代表する真の俳優になられ、映画やTVにも引っ張りだこ。本当にうれしく思います。

さて話は「星になった少年」でした。監督の河毛俊作さんも柳楽さんを起用することにプレッシャーがあったと思いますが、うまく無難にまとめた作品だったと思います。

■ストーリー

千葉県で小さな動物プロダクションを経営する家庭に生まれた哲夢少年(柳楽優弥さん)が主役。経営が悪化する中、象の楽園を作るという母の夢を実現するため、哲夢は単身タイへ修行に行く事を決意する。象使いになるためだ!

タイでの修行は楽ではなかったが、艱難辛苦に耐え、立派な象使いになって哲夢は戻ってきた。そして夢であった象の楽園も実現しそうになった矢先、突然の交通事故。哲夢は星になってしまった。

■少年の眼差しは健在でした。

「誰も知らない」出演時の強烈な色気のようなものは、もう感じられませんでしたが、時おり見せる眼差し。どこか遠くを見ているような、吸い込まれるように空虚な、そんな感じは健在です。

この眼差しだけは、女性にマネ出来ないものかもしれません。共演された女優の蒼井優さんのコメント「普段は全く普通の青年で何のオーラもないのに、いざカメラに映ると、あんな表情になるなんて」天下の人気女優さんもこの眼力には脱帽だったのでしょう。

ただ映画の出来としては、先程も書きましたように、無難に、無難にが強すぎて、全体的にはインパクトの弱いものになっていたのが残念です。また、柳楽さんが主演ですが、少年映画と呼ぶにはやや年齢オーバーかなと思い、参考作品として紹介させて頂きました。


実在の哲夢少年?
■(参考)実話部分について

哲夢少年は実在の人物で、本当に残念ですが、事故でお亡くなりになられたそうです。ご冥福をお祈り致します。

この哲夢さんと「思われる」少年が12歳当時、タイへ象使いの修行に行く様子をルポしたTVドキュメンタリーがありました。

ただ、私が録画した番組は断片しか残っていませんので、この少年が哲夢さんかどうか確信が持てません。もし間違っておりましたら、ご関係の皆様には深くお詫びを申し上げます。

タイで象使い師匠と握手
笑顔か、しかめっ面か
象にのる。お尻を押してもらって

ドキュメンタリーに出演した少年は、写真の通り大変な美少年です。西洋人とのハーフのようにも見えます。なので子役さんを使った再現シーンだったのかもしれません。映画と同じようにタイで象使いを目指すのですが、そんなに深刻でなく、明るい普通の少年でした。手足が長く、スラっとしたスタイルが印象的でした。

自分の意思で、いろいろな事にチャレンジしていくこと。こんな少年少女たちが、今の日本にもっともっと必要なのではないでしょうか。象でも蛇でも何でも構いません。少年や少女の夢が大切です。






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