Mogera Wogura (2007年)

作品総合評価 5点
少年の出番 20%(群像劇の主役の一人)
寸評 学生映画を超えるクオリティー。
【少年映画でない理由】出番が少ない事
映画情報など 2007年製作。DVD発売。(写真は堀ひかる君)


以前のレビューでは、DVD「夢の小学惑星」に収録された短編2本を紹介しましたが、同じ中古DVDショップで、やはり200円で購入したものです。まさに中古DVDショップは「お宝の山」ですね。(しかし、名作少年映画「ACASIA」や「バビロンの陽光」などが200円くらいで売られているのをみると、寂しくなります。少年映画は本当に人気が無い)

■ストーリー

年齢の異なる4人の男性が主要キャストの群像劇。
10歳の少年(堀ひかる君)は、河原に落とし穴を作ったり、土手にモグラのように穴を掘って秘密基地を作っている。彼の願いは、クラスの美少女を秘密基地に連れてくること。

21歳の大学生は、居酒屋や飲食店の排気ダクトの中を清掃するアルバイト。毎日モグラのようにダクトの中へもぐって入る。彼が思っているのは、昔の恋人との関係。

26歳の男は、プロ野球選手と自称して、河原にいる若い男ヒロ(自閉症か、軽い知的障害あり)と野球の練習のマネ事をしている。ヒロに片思いの女の子がいると聞き、彼女の勤める喫茶店へ交渉しにいくが。

45歳の中年男(大杉漣さん)はスーパーの店長。彼の悩みは娘。閉め切った暗い部屋でモグラのように引きこもったまま家を出ない。しかし娘に強く言えない、それどころか娘に嫌われて家から避難する始末。

他に18歳の高校生、65歳の駐車違反取締り人も登場しますが、出番は少ないので省略。やがて「地震がやってくる」との噂が流れる中、4人はそれぞれ自分の願い、悩みに向き合い、そして結果が訪れます。これらは全て、河原に巣食っていたモグラが引き起こしたのか。

■大杉漣が惚れ込んだ学生映画

DVDパッケージには、上のように書かれていました。早稲田大学と慶応大学の映画研究会が共同で製作したものです。「Mogera Wogura」とはモグラの学名とのこと。そういえば、ハナモゲラ語?が持ちネタだったタモリさんも早稲田でしたね。早稲田はモゲラの巣だったのか。

話は外れました。学生映画とはいえ、天下の早慶学生ですから、レベルは十分高いと思います。まあ、惚れ込むほどではありませんが、少ない資金などの製作環境を思えば、本当に大したものです。

群像劇ですので、一つ一つのストーリーはやや消化不良の面もありますが、4人の登場人物が最後につながってくるのは、この手の群像劇のお約束です。とは言え、うまく処理していました。

主人公が全て男性の設定でしたので、女優陣の露出が少ないのが欠点かもしれません。それを補う意味なのか、DVDには、サイドストーリー3編の短編作品がついていました。本編とは全く別話で、こちら女優さんの露出だらけです。ちょっとAVっぽいくらいに。

小さいけれどイケメンですなあ
ロングヘアがキザでないのがいい

■少年編について

本作品の少年が主役編ですが、ストーリー的にはありきたりのもので、総計でも10分もなく、それほど印象に残るものではありませんでした。しかし少年役を演じた堀ひかる君、なかなかイケメンで、これが印象に残りました。

もう7年も前(本レビュー執筆は2014年4月)の製作ですから、今はどうされているのでしょうか。あまり名前も聞きませんので、俳優になられているかは不明です。髪が長いので、一見女の子っぽいのですが、よく見ると精悍な顔つきですので、正統派の男優さんに育っていて欲しいものです。






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