ぼくのいちにち (2008年)

作品総合評価 4点
少年の出番 100%(一応は主役)
寸評 少年少女が主役なのに、けだるい雰囲気。
【少年映画でない理由】主役よりも女子オシ
映画情報など 2008年製作。DVD発売。(写真は主役の辻颯斗君)


DVD「夢の小学惑星 子供たちの情景」に収録された12分の短編映画です。

■ストーリー

小学生のたいち(辻颯斗君)は、学校から遠い地区に住んでいるので、下手をすると1時間近くもかかってしまう。近くには同じ学年の少女が一人だけ。なので、たいちはその少女と毎日一緒に登下校していた。たいちと彼女の共通点はもう一つ。二人とも父親がおらず、母親が働いていて、あまり世話を焼いてくれないことだった。

今日も参観日なのに、母親は来てくれない。ため息をつくしかない。家に帰っても、いるのはお爺ちゃんだけ。お爺ちゃんの口癖は「たいち早く結婚しろ」また、ため息をつきながら少女と一緒に学校から帰っていく。夕陽が美しい土手で一休み。「なあ、僕、結婚してくれる人なんかおるやろうか」「何言うてるの、うちがおるやん!」チャンチャン!

■所感など

もう1本の「まさしくん」から4年後に製作された作品ですが、そのテイストは全く同じです。少年少女が主役の映画だと、もっともっと活動的というか、夢や希望にあふれているのが当たり前なのですが、非常に気だるいのです。

でも、そのアンニュイな雰囲気は嫌いではありません。夕陽のきれいな土手に座って、あ〜あとため息をつく様子は、深川栄洋監督の名作「狼少女」を思い出します。

ところで、この映画に出てくる町並み、お寺、山裾の風景、どこかで見たことがあるなって思っていたのですが、エンドロールで、大東市(大阪府)とありました。お寺は野崎観音、山は生駒山地の北側の低山、室池あたりに違いありません。高校がこの近くでした。

石原監督にプロフィールを見ると、やはり大東市出身とのこと。小学校シリーズの短編映画も全て大東市内の小学校でロケされたものだろうと思います。近くに住んでいるのに、全く知りませんでした。

そして、写真は載せていませんが、主役のたいち君よりも、監督の目線は少女を向いているのは同じです。それは監督さんも男性ですから、女の子の方が可愛いのは仕方ありません。この後2009年の「共存時代」では、完全に女の子だけの映画になっています。少年映画ファンとしては少し寂しいです。






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