GOTH (2008年)

作品総合評価 4点
少年の出番 100%(年齢オーバーですが)
寸評 今一つキレの無い、推理サスペンス
【少年映画でない理由】年齢オーバー
映画情報など 2008年公開。DVD発売中。


乙一氏の小説が原作。少しホラーがかった推理サスペンス小説が多い乙一さんですが、本原作小説は読んでいません。本郷奏多さんが主演で映画化されたのは知っていましたが、公開時は興味を覚えず、鑑賞していませんでした。

ただDVDだけは購入しており、数年間、棚の奥に眠っていました(当時は経済的にゆとりがあったんだなあ)。少年映画というには、もう本郷奏多さんでも年齢オーバーなので、なかなか見るきっかけが無かったのですが、DVDの整理をかねて鑑賞しました。

■ストーリー

主人公は高校生の神山(本郷奏多さん)。一見ふつうの高校生だが、古今東西の猟奇的な殺人事件に異常な興味を持っている。そんな時、若い女性の連続殺人事件が発生。被害者は、いずれも左手首を切り取られている。

神山が図書室で殺人関係の本を調べている時、同じクラスの女生徒、森野(高梨臨さん)が接触してきた。森野も暗い性格だったが、二人はつき合うようになった。二人のデート場所は、森野が常連になっている怪しげな喫茶店。その喫茶店で手帳を拾った。

その手帳は、なんと連続殺人事件の犯人のものだった。まだ見つかっていない殺人が書かれており、二人はその場所へ行ってみると、死体があった。手帳の持ち主は誰なのか。森野の手首にはリストカットの跡があり、過去に事件もあったようだ。そして、主人公の神山はある行動に出た。

■まったりとした展開

もっと、おどろおどろしい事件が続くスプラッター映画かと思っていたのですが、静かで平坦な展開で、やや物足りない感じもします。本郷奏多さん演じる主人公の高校生が、実はとんでもない殺人狂ではなかろうか。それだったら、嫌な後味だなあ、と思っていたのですが、ちょっと安心しました。

それにしても、二人の高校生は豪華な生活です。神山は何台もの高価なパソコンと広いデスク。隠し書棚まである広い書斎を持っています。(私なんか、狭い部屋に、狭いデスク。本棚も置けませんので、買った文庫本やDVDをストックすることもできず、泣く泣くブックオフへ売るしかありません)

森野は、団地ですけれど女子高校生なのに一人暮し。ゴシック調の超高級家具に囲まれて、貴族のような生活。これも羨ましい限りです。どうも、ストーリーよりも二人の暮しぶりに目がいってしまいます。高校生なのに「マスター、いつもの」のなんていう喫茶店を持っているのも、ちょっと生意気。

謎を解く高校生。
メイキング映像から。まだ少年っぽさ健在

■本郷奏多さんについて

さて本郷奏多さん。こういう暗い役を演じると、ピッタリはまります。というか、こんな役しか回ってこなくなったと思うと、少し残念な気もします。映画のメイキングを見ると、撮影は2007年ですので、まだ17歳くらいなので、少年っぽさは十分残っています。

顔は角度によっては大人ですが、肩幅がせまく、身体つきが非常に華奢なのがいい感じです(一人前の男に対して失礼かも)。この手の邦画作品では、どうしても女子高生のヒロイン役の方がスポットを浴びるのですが、本作品は本郷さんの方が美しく撮られています。(主役なので当然かもしれませんが)

しかし、いつまでも暗い少年っぽさで売るのではなく、どこかで脱皮して、普通の明るい青年役も演じれるようになって欲しいものです。まあそうなれば、本郷さんらしさが無くなるのかもしれませんけれど。






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