TAJOMARU (2009年)

作品総合評価 5点
少年の出番 約3%(出演者の少年時代で数分程度)
寸評 タイトル前の少年時代編だけで十分かも
【少年映画でない理由】出番がほんの僅か
映画情報など 2009年公開。DVD/BD発売中。写真は北村匠海君。


映画「シュアリー・サムデイ」と同じく、少年俳優である北村匠海君が少年時代を演じていて、ほんの少しですがキラっと輝いていた作品です。映画が始まると、桜の土手を美少年と美少女が歩いてきます。絵になるシーンですが、そこからの僅か数分が、私にとって少年映画でした。

「シュアリー・サムデイ」より更に少年俳優の出番は少ないので、これまではスルーしてきましたが、日本映画専門チャンネルで録画できましたので、記録として、ごく簡単ですが、レビューを残す事にします。

■ストーリー

原作は芥川龍之介の小説「藪の中」。映画冒頭、畠山家の長男と親戚の少女阿古、そして次男の直光(北村匠海君)が桜の中を歩いてくる。阿古は長男の許婚であったが、直光の方が好きな様子だった。家に帰ると、貧しい少年(私市夢太君)が、畠山家に泥棒に入り、家臣に捕まっていた。

直光は、この少年を不憫に思い、桜丸と名付けて家来にした(自分と同じ子供なのに「不憫に思う」とは、階級社会ですねえ)。やがて直光は兄、阿古、そして桜丸と4人で「お殿様ごっこ」をして遊ぶ仲になるが、少年時代はここまで。

やがて成人した直光(小栗旬さん)だが、世継ぎの権力争いに巻き込まれ、自分が助けてやった桜丸に裏切られ、強盗の親分である多襄丸に捕まる。しかし隙を見て多襄丸を殺すが、今度は自分が多襄丸と名乗ることになった。そして裏切り者の桜丸に復讐しようと、畠山家にもどると。

■少年時代の演技は、お世辞にも

北村匠海君は小栗旬さんの少年時代役。これが「シュアリー・サムデイ」の伏線になったのかもしれません。さて、この映画冒頭の少年時代ですが、とても褒められた演技ではありません。特に阿古役の少女俳優のセリフがたどたどしくて聞くに耐えれないのです。

北村匠海君のセリフも上手いとはお世辞にも言えませんが、まだマシでした。もしもこのメンバーで映画が2時間続くと思えば、大半の観客は席を立つかもしれません(少年俳優ファンを除き)。これは子役のせいではなく、やはり制作側の手抜きだろうと思います。NHK大河ドラマを見習って欲しい。

NHKの大河ドラマでも、主人公の子役時代はせいぜい全放送回数のうち初回1回くらいですが、少年子役でも少女子役でも本当に気合が入っています。最近では「軍師官兵衛」の若山耀人君が本当に素晴らしい。彼は今でもNHK教育でレギュラーで使われていて、大人顔負けの安定感に驚いています。

泥棒少年が捕まった。私市夢太君
私市夢太君の方が熱演だったかも

■時代劇は流行らない

若いイケメン俳優が頑張っても、どうも時代劇映画は今一つ興行的はパッとしない感じがします。アルファベットを使って新しいテイストを出しているんですけれどね。芥川龍之介作品が小難しいのも一因か。漫画が原作の「るろうに剣心」シリーズはそれなりにヒットしていますし。

本作品は、北村匠海君を目当てに見たのですが、汚い貧乏人少年を演じた私市夢太君の方が、妙に印象に残りました。とはいえ全部で1,2分くらいの出番ですけど。その最後のシーンで私市君演じる桜丸に声をかける将軍が、男色っぽくて気になりました。






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