きな子〜見習い警察犬の物語〜 (2010年)

作品総合評価 4点
少年の出番 15%(存在感が薄い)
寸評 おイヌ様映画はこんなもの。
【少年映画でない理由】少年の存在感が薄い
映画情報など 2010年公開/DVD発売済(写真は広田亮平君)


2010年8月29日、あべのアポロシネマ8(大阪)にて鑑賞。公開2日目の日曜日の昼、近所のシネコンへ行ったのですが、満席のため断念。そのリベンジ?でもありませんが、公開から2週目になり、さすがに空いていました。とはいえ、意外にも人気があるようです。

犬を前面に出した映画は内容はワンパターンでも、健全なファミリー向け作品として興業的にも手堅いものがあるのでしょう。毎年のように、テレビ局が持ち回りで製作しています。私は別にそれを批判する気なんて全くありませんが、見に行く気にはなれませんでした。

今回は、名子役(と私は評価していますが、皆様に押し付ける積りはありません)だった広田亮平君が中学生になって、どんな演技をするのか是非みたかったので、少し楽しみにしておりました。

お兄ちゃん(広田亮平君)の影は薄い。妹に全部持っていかれました
■ストーリー

杏子(夏帆さん)は、警察犬訓練士だった父を継いで、訓練所の見習い訓練士として赴任してきた。そこで、落ちこぼれ犬だった、きな子を見て警察犬にしようと決意する。きな子の覚えは悪く失敗ばかり。逆にそれを地元テレビが面白おかしく取材したので有名になってしまった。

訓練所長(寺脇康文さん)から厳しい事を言われて落ち込む杏子。所長の息子(広田亮平君)にはそっと支えられながら、杏子ときな子は成長していけるのか。

■お犬さまと少女が、いい所を全部持って行きました

舞台挨拶などの写真を見ると、もう青年の顔になっていましたが、本作品の広田君は、声変りこそしているものの、まだまだ少年でした。割烹着を着て料理好き。優しいお兄ちゃん。広田くんにピッタリの役。

ただ、これまでと同じように、妹を立て自分はうしろに下ってフォローする、こんなキャラクターが染み付いてしまったようで、少し残念でした。今回は夏帆さんのための映画ですから、出番も少ないし、目くじらを立てても仕方ありません。

さて映画の内容ですが、香川県を舞台に、夏帆さんが警察犬訓練士として成長する姿を描いたもの。NHK朝ドラが半年かけてやる内容を2時間弱に編集したようなもの、といえば良いでしょうか。子供向け作品なので、突っ込んでも仕方ないのですが、ヒロイン夏帆さんがあまりにノーテンキ

小さい頃から訓練士だった父の職業に就きたいという強い意志があったんでしょう?それなら犬のこと、警察犬のこと、父の師弟関係など、なぜ大人になるまで、もっともっと勉強しなかったの?寺脇康文さん演じる訓練所長じゃないけれど、思わずカツを入れてやりたくなりました。

きな子を演じた犬ですが、やっぱりイヌはイヌ。イヌの目線が白々しいです。イヌは夏帆さんや他の出演者ではなく、画面には映らないトレーナーを見ているんでしょう。(実はNHK「ようこそ先輩」できな子のトレーナーが出演していたのを見てしまったので。)

辛口ばかりが続きましたが、この映画で印象に残ったのは、所長役の寺脇康文さんの存在感と、広田亮平君の妹を演じた大野百花さんの2人。特に、この妹は強烈でした。少年映画ファンではありますが、この妹のキャラクターには脱帽です。面白かった。(ただ、この手の女の子はどうしても関西人のイメージ。今回は讃岐弁との事ですが、関西弁と区別がつきませんし)

最後に。今回の「きな子」はそれなりの興業成績を残せそうな感じです。内容的には昨年の「ウルル」よりも平凡な作品なんですが、興業成績の差はなぜ。やっぱり日本では女優さんが活躍しないとだめなんでしょうか。






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