ある商社の部長が自殺。同時に課長の今西(西島秀俊さん)が失踪。今西は約1億円の横領の疑いが。会社は今西の部下の三辺(永作博美さん)に調査を命じる。(素人のおばちゃんOLに、こんな大事件の捜査をさせますかね?)三辺が調査するうち、今西と関わった人間が、なぜか不幸になっている事を知る
今西の少年時代の生家は由緒ある義太夫の家元。しかし、ある事件で今西以外は死去。今西と幼馴染だった男(板尾創路さん)に少年時代の凄惨な話を聞くことになった。小学生の今西(桑代貴明君)妾の子だが、父である師匠に弟子入りし、めきめきと才能を発揮するが、正妻の子である兄(久野雅弘さん)や、兄弟子からは、激しい苛めを受けることになる。
今西が唯一、心を許せるのが、同じ年の弟子(大塚智哉君。後の板尾創路さん)だった。ここから、今西の黒い復讐が始まる。それは綿密に計算されたものだった。才能を隠して下手に振る舞い、師匠の信頼を失う。跡継は兄に決まったも同然。ところが兄の初舞台の日。付け人だった今西は、兄を騙し、舞台の時間を伝えない。幕が上る直前、なんと、兄の代りに今西少年が登場。
師匠は驚くが、大勢の客を前に、後には引けない。なんと今西は完璧な義太夫を披露する。観客の万来の拍手の中で、遅れてやってきた兄は唇を噛み締めるだけ。そして惨劇が起った。将来を悲観した兄が、父である師匠、母、弟子たちを次々と刺し殺し、最後に自殺する。なぜか今西少年には手を出さない。(これはちょっと納得できません。自分を貶めた張本人に、まず刃を向けるのが普通だと思うのでが。)
少年時代の今西には、蛇のこころが棲みついていることを知った三辺。そのまま東京へ戻る。やがて、三辺の婚約者の会社に、今西がいることが判る。さて、どうなるでしょうか。