Always 三丁目の夕日'64 (2012年)

作品総合評価 6点
少年の出番 50%
寸評 すっかり成長してしまった一平と淳之介
【少年映画でない理由】年齢オーバー
映画情報など 2012年公開。DVD発売中。(写真は須賀健太君)


2012年1月23日、ワーナーマイカル・シネマズ大日(大阪)にて鑑賞。三丁目の夕日も第3作目。前作を見て、もういいかな、と思っていたのですが、昨年からの宣伝やプロモーションにすっかり乗せられて、前売券まで買って楽しみにしていました。

混雑を避けるため、月曜日に午前休暇を取って大阪郊外のシネコンへ。朝1番の回でしたので、さすがにガラガラ。ワーナーマイカルでは3D眼鏡を既に持っておりましたので、3D版を見ることに。

■ストーリー

前作から5年後の昭和39年が舞台。東京オリンピック景気に沸く日本。小説家の芥川(吉岡秀隆さん)とヒロミは結婚し、養子の淳之介(須賀健太君)は東京大学を目指す高校生。鈴木オートの息子一平(小清水一揮君)は、思春期真盛りのギター少年。そんな時、鈴木オートで働く六子(堀北真希さん)に恋人が出来、結婚したいと言ったから三丁目に騒動が巻き起こる。

■三丁目ワールドは懐かしい。でも、なぜか寂しい

いつもの音楽。そして、第1作と同じように、模型飛行機が三丁目から、東京の空に舞い上がります。3D効果は抜群なのですが、カメラの動きが早い部分は処理が追いつかないのか、映像が流れてしまいます。(うぇ〜っ、ちょっと酔いそう)

でも、一平(小清水一揮君)がいる鈴木オート。淳之介(須賀健太君)がいる芥川家など、いつもの面々が揃うと、懐かしさがよみがえってきます。もう、これは皆さんが言われている「寅さん」の世界ですね。

鈴木オヤジも、芥川小説家も、全く変わりなくドタバタと人情劇を繰り広げます。今回は六子(掘北真希さん)の恋愛が表のストーリーで、淳之介の旅立ちが裏のストーリーというところでしょうか。それぞれ、特に目新しくもないのですが、安心して見れます。でも、なにか足らない、寂しい。

小清水一揮君
■少年たちのいない三丁目なんて

1、2作では、町を駆け回っていた一平や淳之介。うるさいくらいでした。でもこれが昭和なんだろうと思います。もちろん3作でもエキストラの子役はいましたけれど、メインに絡んでこない。原作漫画では色々パターンはあれど、ともかく一平が主人公だそうですが、今回の映画では完全に端役でした。

演じた小清水君も前作までの童顔から打って変って大人になってしまいましたので、役どころが無かったのかもしれません。ただ、一平が端役になった時点でもう三丁目の夕日ではなくなったと思います。

一方、淳之介は裏の主役。演じた須賀健太君。一昨年の「釣りキチ三平」の不振のあと、しばらく姿を見なくなり、もう俳優を辞めたのか、とすら思っていましたが、この映画で素晴らしい復活を見せてくれました。(あくまで私が勝手に思っているだけです。)

声変りが完全に終ったのか、一時のかすれ声でなく、爽やかな声になり、表情や演技も生き生きしていました。ただ、ボディビルでもしているのかと思うほど上半身が筋肉質なので、もう少年俳優は卒業でしょう。

少し面白かったのは、キャストのクレジット。出番や役どころで、準主役と端役くらいの差がつきましたが、それでも須賀君と小清水君はペアで名前が出てきたこと。これもスタッフの心配りなのでしょう。

こうして考えると、前1、2作での須賀君と小清水君の存在感が大きかったことがよく判りました。何の賞も貰えませんでしたが、彼ら2人が最大の功労者ではないかと思います。第2作では、なにかマイナーな賞を貰っていたかもしれません。

巷では、寅さんシリーズのように続編が作られるとの噂が流れていますが、どうなんでしょう。このままの大人のシリーズであれば、もう次回からパスするかもしれません。また、本作で淳之介に妹が誕生しましたが、この女の子が次作で活躍するのでしょうか。

いずれにせよ、私にとって、昭和=男の子の時代でしたので、少年俳優が活躍してくれないのなら、やはり寂しいです。と、言いましたが、でもやっぱりあの音楽が流れてくると、つい見てしまうだろうなあ。涙まで流したりして。






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