真夏の方程式 (2013年)

作品総合評価 5点
少年の出番 30%(結構キーマンです)
寸評 オーソドックスな推理ドラマ。
【少年映画でない理由】出番過少
映画情報など 2013年公開。DVD/BD発売中。(写真は山崎光君)


2013年8月15日、MOVIX京都(京都)にて鑑賞。

人気小説家、東野圭吾氏のシリーズで、テレビドラマでも人気のシリーズになっているそうですが、これまで全く興味がなく、よく知りませんでした。東野さんの小説も、あまり少年が登場する印象が無いので、1冊くらいしか読んだことがありません。

福山雅治さん演じる物理学者も「子供嫌い」というキャッチフレーズでしたので、本作品も見る予定は無かったのですが、シリーズには珍しく子役さんが重要な役であるということで、また避暑を兼ねて映画館へ行く事にしました。

6月封切で、既に1ヶ月半も経っていますので、どのシネコンも上映回数は激減し、しかも夜遅くの上映時間ばかり。たまたま京都では朝1番の回でしたので、久しぶりに京都観光も兼ねて行ってきました。(朝9:00過ぎの受付は空いていましたが、終映後、昼前のチケットカウンターは大混雑。やはり避暑客が多いのでしょう。)

■ストーリー 

(推理ドラマなのでストーリーはごく簡単に)物理学の湯川准教授(福山雅治さん)は、海底資源開発の地元説明会のため、玻璃ヶ浦(架空の町)へやって来た。同じ電車に、夏休みを親戚の旅館で過ごす小学生の恭平(山崎光君)も乗っていた。

湯川が宿泊した旅館は地元説明会で環境保護派の女性リーダーだった川畑成実(杏さん)の実家だった。おまけに小学生の恭平の親戚の家でもあった。恭平は湯川のことを有名な学者と知って「はかせ、はかせ」とまとわりつく。

そんな旅館に、警視庁を退職した元刑事の塚原がやってきた。十数年前に東京で発生した殺人事件について、旅館の経営者(成美の両親)と話をしたいとのことだった。両親は血相を変えて、そんな話は知らないと否定する。

次の日、塚原は死体で発見された。誤って海へ転落したと思われたが、実は他殺だった。十数年前の殺人事件と成美一家の関係はどうなのか、警視庁の捜査一課も動き出し、学者である湯川も巻き込まれる。さて真相はいかに。

■カッコいい。福山雅治さんの独壇場

私にとって、物理学者というだけでカッコイイ代名詞みたいなものでした(過去形)。それを福山さんが演じるのですから、もう何も言うことはありません。本作品でも、物理学者なのに、明晰な推理を働かせて真相を解明するのですが、その部分はおいといて、1番の見どころは、恭平少年への特別授業。

泳げないので美しい海を見た事がないという恭平に対し、ペットボトル・ロケットに携帯電話を搭載して、沖へ発射し、カメラ越しに海中を見せる。ちょっと?な気もしますが、なかなかお洒落なシーンでした。

さて、恭平役を演じた山崎光君。最初に登場した時は電車の中で携帯電話を使うクソガキ(失礼)にしか見えず、こりゃ、あかんわ、失敗作だったかと失望しかけたのですが、段々と可愛く見えてくるから不思議です。よく頑張っていました。

一方、ヒロインを演じた杏さん。抜群のプロポーションで、言う事なしの美女なのですが、どうも浮いているように感じました。テレビのCMで見る姿が頭に残っているからかもしれません。彼女のせいではないので、ちょっと気の毒です。

■おまけ。大学教員という職業について

福山さんが演じるのは大学の准教授(昔は助教授と言っていました)。私も昔は、憧れの職業でした。今でも世間的には憧れの職業だと思います。特に物理学なんて。カッコイイ。

でも今、私は、そのような教員の方々をサポートする職場に勤務しています。勿論、私の立場からは、教授や准教授の先生なんて神様のような存在ですが、実情を知ってしまうと、決してラクな稼業ではありません。ちょっと夢が壊れてしまったかな、という感じです。

大学に個室を貰い「先生」とか「博士」(今はハカセなんて呼ぶのは、漫画の中だけかもしれませんけれど)などと言われ、好きな研究だけをしている。そんなイメージを持っていませんか。昔は大半がそうだったし、今でも一部の大学では、そうかもしれません。

しかし、今は大学とはいえ、競争原理で動いています。論文数(日本語の論文は無価値。海外の有名学会しか評価されません)、科研費、企業共同研究、寄附金など外部資金獲得額。特に理系の先生は辛い。

准教授というのは微妙なんですよ。教授になれるのか、准教授で終るのか、これは、かなりのプレッシャーになるようです。勿論、万年助教(昔の助手)で終る先生もいますので、准教授になれれば御の字でしょうけれど。そういう意味で、この映画の湯川准教授は突っ張って上を目指しているのでしょうか。

ええっと。ちょっと夢のない話をしてしまいました。停滞気味の日本の産業力強化のためには、大学の先生方が、昔のように、もっともっと憧れの職業になって欲しいものです。映画とは関係ない話ばかりで申し訳ございませんでした。






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