金メダル男 (2016年)

作品総合評価 4点
少年の出番 5%(主人公の小学生時代)
寸評 一等賞、金メダルに取り憑かれた男。詰め込み過ぎ
【少年映画でない理由】出番が少ない事
映画情報など 2016年公開。BD/DVD発売中。
(写真は、大西利空君)


内村光良氏(ウッチャンナンチャン)の原作を映画化。自身で監督、脚本、主演も務める。これもノースエンド先生の部屋の番外編で取り上げられた作品です。ウッチャンやジャニーズの知念君が出ていると聞いただけでパスした作品ですが、大西利空君を見たさにレンタルで鑑賞しました。

一等賞、金メダルに取り憑かれた男の半生記。小学生時代を大西利空君、中学から青年期を知念侑李さん、以降を内村光良氏が演じていますが、大西君の出番は5分程度。同じような作品に北野武監督の「アキレスと亀」があります。比較すると、やはり北野監督の素晴らしさを再確認することになりました。

人生で初めての一等賞、金メダル。天にも登っていくような快感・・
■ストーリー

長野県塩尻市で生まれた秋田泉一の物語。小3(大西利空)の運動会で1等になり金メダルを貰った事が人生の(失敗?)の始まり。その後、習字、絵、工作で次々に1等賞を取り、魚つかみ獲り大会、火起し大会、大声大会でも優勝。黄金の小学生時代を過ごした。

ところが中学生(知念侑李)になると、水泳、剣道、陸上と様々なものにチャレンジするが全てダメ。思春期で色気づき、女の子に気を取られてしまう事が原因だと自省する。高校でも同じだったが、最後に自分で作った「表現部」で成功を収め、またまた自信をつけてしまい、高校卒業と同時に東京へ出る。

東京でもクイズ番組、ジャニーズのオーディションなど様々に挑戦するがダメ。やがて中年男(内村光良)になっても無謀な挑戦は続く。遭難して無人島に漂着、7ヶ月後に救出されるが、その経験をマスコミに取材されるや、時の人となって引っ張りだこ、元アイドルと結婚して子供もできるなど、人生の花が咲き始めたかに見えるが・・

■きっと詰め込み過ぎちゃうから・・

波乱万丈の人生。失敗の連続をオモシロおかしく作っていますので、見ていて退屈はしません。でも全てマンガ的というか、テレビのバラエティ番組を見ているような感じです。実際に日本テレビが大きくバックアップしているのではと思います。

大泉洋さん、竹中直人さんなど主役級の俳優さんがチョイ役で登場するなど、なぜこの人がこれだけ・・と感じてしまいます。幕内弁当のようにいろいろ詰め込まれているけれど、メインディッシュが無い弁当のよう。もちろんそんな映画もアリですけれど、見終わった後に残るものが少ないのです。

上でも書きましたように「アキレスと亀」は世間では失敗作のように言われていますが、北野監督の思いが伝わってきて、見終わった後も考えさせられるものが残ります。もちろんこれは私の印象ですので、本作の方が余韻が続くという方もおられるでしょう。

■意外な熱演、知念君

知念侑李さん、撮影当時23歳くらいで12歳の中学生役とはさすがに厚かましいと思いましたが、童顔なので顔だけなら見えない事もありません。しかし身体つきが・・水泳シーンになったとたん、顔も含めて20代半ばのオジさんになってしまいました。

とはいえ、一生懸命な演技には好感が持てました。陸上競技でダメだったのは「身長が伸びなかった」と自虐的なナレーションには思わず笑って・・。しかし主人公が、何を考えて生きているのか、ふと立ち止るような場面がもっとあると演技に深みが出てくるのに。(これは知念君のせいではありませんけれど)

そういえば彼の幼い頃の映画「忍者ハットリ君」はまだ見ていませんので、今度また借りてきて見ることにします。なお、ウッチャンの演技については感想を述べませんが、誰か他の俳優さんに任せて監督に専念した方が良かったような気もします。

最後に大西利空君。5分程度のチョイチョイ役ですので、演技がどうのこうのは書けませんが、ビジュアルは抜群。でも知念君、ウッチャンの子供時代に見えてくるから不思議です。彼も少年時代のうちに、本当の主演作にめぐまれて欲しいものです。

金メダルの反射で顔も金色に・・
魚のつかみ獲り大会でも優勝。


金メダルやトロフィーに囲まれてご満悦
波乱万丈の人生の中で生まれた男の子。
(演じる高村佳偉人君、大西君に似ています)







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