200x年 翔 (1992年)

作品総合評価 3点
少年の出番 80%(現在はKinKi Kidsの二人ですが...)
寸評 有名になる前のKinKi Kidsの2人(話のネタにどうぞ)
【少年映画でない理由】あくまで脇役
映画情報など 1992年製作。VHSビデオ,DVD絶版
(写真は堂本光一さん)


レンタルショップがまだVHSビデオ専門だった頃、本作品は棚に大量に並んでいたのを覚えています。その頃からジャニーズには興味がなくKinKi Kidsと聞いただけでスルーしていました。最近になって邦画少年映画のネタが尽き、そうだこれを見てみようと。

しかしあれ程見かけた「200X年 翔」ですが、DVD化されているもののレンタル店には置いていません。ちなみに中古VHSビデオは1円から出ていてます(過去の大量レンタル落ち)。今更VHSもないので、仕方なく中古DVDを入手。これがまた画質が悪い...VHSテープ起こしかと思うくらい。

それはさておき内容ですが、バブル時代に粗製乱造というようなフレーズが頭に思い浮かびます。堂本光一さんの名前は表に出ているのですが、堂本剛さんも端役で出演していました。当時のファッションを懐かしむのにはちょうどいい作品かなと思います。

ブラックホールの光線を浴びて成長が加速した子供たち。本来は4歳なのに..
(左端が堂本光一さん、右から2人目が堂本剛さん。今とあまり変わらず)
■ストーリー

あるブラックホールが爆発しその光線(素粒子)が地球にも降り注いだ。その5年後、異常に早熟な子供たちが出現した。4歳児なのに心身ともに14,5歳にしか見えない。光線を浴びて遺伝子が突然変異したのか。聖(風見しんご)の息子、翔(堂本光一)もその一人だ。世間体を気にして翔を外へ出さずに隠していた。

それらの子供は成長が進むと感情を失い、まるで宇宙人に操られるかのように他の子供たちを襲い始めた。この現象を調査していた大学教授は聖にこう告げた。太陽の黒点から放射される中間子(ホンマかいな)を浴びると元へ戻る。浴びれるのはオゾンホールのある静流という町だけだ。そこへ君の息子を連れていけば..

聖は半信半疑だったが、息子の翔と同じ境遇の子供たちが襲われて逃げて来くるに及んで、子供たちを連れて静流という町へ行く事にした。しかし車は壊され、不思議な集団に襲われるうちに、一緒にいた子供の中からも変身する子供もいて難渋を極める。彼らは無事に中間子を浴びて元へ戻れるのでしょうか...

■どこかで聞いたような設定

1960年のイギリス映画「未知空間の恐怖/光る眼」のパクリのような感じもします。宇宙人の子供なのか3歳で大学教員なみの知能を持ち、しかも全員超美少年,超美少女。こんな話だったと思います。あくまで参考にしたのだろうと思いますが、やはりスケールダウンで、しょぼく感じるのは仕方ありません。

ネタバレしてしまいますが、太陽の黒点からの放射を浴びたとたん、全員4歳児に戻ってしまうのです。これはもうSFではなく、メルモちゃん(知らんでしょう?)のようなマンガの世界。それはそれでも別に構わないのです。無理に科学的説明をこじ付けるよりは潔いとも思います。

堂本光一さん
(少年ぽく見える角度)
■頼りになる人物がおらず..

パニックとか災害などの危機的な状況を描いた作品は一本芯となる人物(ヒーローorヒロイン)がいないと見るのが辛くなります。本作品では風見しんごさんがその役なのですが、優柔不断かと思うと偏見から逃れられなかったり、子供たちからも見放されるような頼りないキャラ。

そのため観客としては居心地が悪く、全体的に薄っぺらく感じます。戦争とか緊急事態には強いリーダーシップを持った人間が求められるのは、実は社会にとってはリスクもあります。一歩間違えれば扇動者や独裁者が出現。しかし映画の世界では、本作のように右往左往しているだけの主人公は頂けません。

■存在感も華も...

一方期待していた少年俳優の堂本光一さんですが、本作では準主役の割に存在感が全くありません。もちろん演技等は本人のせいでなく演出の問題です。また本作出演当時は13,4歳ですので、もっとあどけない少年かと思ったのですが、もう現在とほぼ同じ大人の顔でした。

既にジャニーズ所属とはいえ知名度もない状況ですから、制作者側も特別扱いせず、単に15歳の少年役として起用したのだろうと思います。今ならどんな新人でも事務所側のゴリ推し?でもっと役柄に注文がつくかもしれません。

まあ全体的に1990年初頭のバブル崩壊前夜のファッションとかヘアスタイルが登場しますので、私なんかはそれを懐かしみながら、話のタネにするのにちょうどいい作品ではと思います。

翔は4歳に見えないため、ずっと自室に隔離
(当時の少年の定番ヘアスタイル)
ある日、同じ境遇の少女の声が聞こえてきた..

父(風見しんご)の車で追手から逃れてある場所へ
(他の子供たちも乗せて。車の定員大丈夫?)
一緒にいた哲也(堂本剛)に変身のきざしが現れた..
僕がおかしくなっても絶対に連れてって!

哲也を背負って必死に逃げるが..ダメだった
(この場面の少年は光一さんでなく剛さんだったのか)
ラスト、太陽黒点の光線を浴びて4歳児に戻った
(頭の中はどうなんでしょうね..記憶や知性は維持?)







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