吉田類の「今宵、ほろ酔い酒場で」 (2017年)

作品総合評価 3点(映画としての作品性は低い)
少年の出番 15%(最後の3話では準主役)
寸評 居酒屋讃歌。今夜も一杯いきましょう
【少年映画でない理由】出番少
映画情報など 2017年製作。DVD発売中
(写真は吉田類の少年時代役の山田刃君)


吉田類って人知ってます?知ってる人はかなりの率でオジサンでしょう。毎週月曜21時のBS-TBS「吉田類の酒場放浪紀」という番組はオヤジの月9とも言われて結構な人気を誇っています。私も毎週見ています。(それほど真剣に見るのではなくBGVとして)

もう70に近いのに毎晩元気にお酒。元イラストレーターとの事ですが、これまで何をされてきたか今一つ不明。まあ過去はどうでもいいけれど、高齢者特有の頑固さとか押し付けがましさがなく、いつも下から目線なのが若い人にも好感が持てる理由ではと思います。

まさか吉田類さんの映画が出来るとは思ってもみませんでした。ましてや少年俳優が出てくるなんて。3話オムニバス構成で、1,2話は吉田類さんは単なる案内人。3話では主役。そして類さんの少年時代がメインのお話。映画としての作品性には目を瞑りましょう。吉田類と少年、それだけでお腹いっぱい。

日本一の清流、仁淀川で自由奔放に遊び回った少年時代
■ストーリー

1軒目「チャンス」という居酒屋に逃げ込んだ女性アイドルが再生するお話。
2軒目「どつぼ」という居酒屋に入ったサラリーマンのドタバタ。それでも居酒屋はいいなあ..ってお話。

3軒目「土佐っ子」にやってきたのは投資会社の社長森本(吉田類)。大掛かりな不正行為により警察から指名手配され、もはやこれまでと自殺を決意。そこで目に入ったのが故郷高知の居酒屋。ここで最後の1杯を飲もうと。龍馬という地酒を飲みながらマスターと高知の思い出話。森本の故郷は高知でも山の中。

少年の森本(山田刃)は親友の翔太(萱祐輔)と各家で作っている密造酒をこっそり飲んだり、美しい仁淀川で泳いだりと自由おおらかな生活。二人は山の高い木に登り、はるかに見える太平洋を眺める。森本は「俺はいつかあの海を超えて行くんだ」。少年時代の夢を思い出した森本社長。自殺を止めて警察に自首することにした。

■他愛もない話ですけれど..

1話20分余りの作品ですので内容に期待はしてはいけません。でも四国、高知、故郷とくれば四万十川。今まで何度も映画の舞台になりました。川とくれば少年。これもセットですねえ。但し今回は四万十川よりも美しいといわれる仁淀川

登場する少年たちは美形とはいえませんが、郷愁を覚えるような日本人らしい二人。ヘアスタイルもちゃんと丸刈りっぽくしてくれています。素っ裸で川に入る様子も昭和風。(もちろん放送コードに引っかかるようなシーンはありません。念のため)

高知県のお酒を飲んで少年時代の事を思い出し、もう一度頑張ってみようというのは安直かもしれませんが、いいじゃありませんか。この居酒屋のマスター役の俳優さんが渋くていい感じ。本当にこんな居酒屋があったら入ってみたい。でも類さん、地酒1杯しか頼まず帰るのはちょっと(お通し込で900円)...

少年映画とはいえませんが、吉田類の番組が好きな人、居酒屋が好きな人は見て損はしません。是非レンタルででもご覧になって下さい。

税務署が来た!両親から言われて密造酒を押入れに隠す
(大酒呑みの土地柄。昔から各家で焼酎は作っていた)
密造酒を興味津々で飲む森本少年と友人の翔太
(この後、気分が悪くなり二人とも戻してしまった)

お酒を吐いて気分が悪くなったので泳ごうぜ!
(仁淀ブルーの美しい川。生まれたままの姿が似合う)
透明度が高い川の中。本当に何ともいえないブルー
(この写真では美しさが伝わらず...)

山の上の木に登り、はるかに太平洋を望む二人
(夢はでっかい。さすが龍馬の生まれた国)
キャストロールにはちゃんと役名も。
(これが当たり前。ノースエンド先生の言われる通り)







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