3月のライオン(前・後編) (2017年)

作品総合評価 7点
少年の出番 5%(主役の少年時代)
寸評 今流行りの将棋ドラマ。神木君が大熱演
【少年映画でない理由】出番少
映画情報など 2017年製作。BD/DVD発売中
(写真は主人公の少年時代を演じた大西利空君)


中学生で連勝記録を更新した天才騎士の藤井聡太君の活躍もあり、今は将棋ブームですが、本作はそれ以前から漫画として人気作品だったようです。テレビアニメにもなっていますが、漫画もアニメも例によって全く知りませんでした。

かつて少年俳優の代名詞だった神木隆之介さんが主役。少年俳優出身の役者さんへの思い入れは強いのですが、彼の場合もう映画やCMにも引っ張りだこですので食傷気味。なので神木さんが出ているだけならスルーするところですが、大西利空君が出ているとの事でWOWOWで視聴。

少年時代なので前編の序盤10分くらい見ればいいかと思ったのですが、様々なシーンで少年時代の回想が挿入されますので、結局全部見てしまいました。とはいえ大西君の出演時間は前後編合わせて10分もありません。神木さんより大西君が見たい...(少年俳優ファンは勝手ですなあ)

歩(鈴木雄大)と零(大西利空)。年は同じだが歩は義弟、幸田家の正当な跡取りとして当然プロ棋士になるつもりだった...
(二人とも美少年。でも二人のシーンはほんの僅かでした)
■ストーリー

桐山零(大西利空)は家族を事故で亡くし、父の親友である棋士の幸田(豊川悦司)に養子として引き取られた。零は将棋が好きではなかったが、幸田家で生きるためには将棋しかない。そしてメキメキ強くなっていく。幸田の2人の実子は零に歯が立たずプロ棋士への道を断念する羽目に。そのため特に(義理の)姉の香子は零に恨みを抱いている。

義姉と義弟の気持ちに耐えれなくなった零(神木隆之介)は中学卒業と同時に幸田家を出てプロ棋士になり高校に通うが、ひょんな事から川本家の三姉妹と同居する。そして数々の因縁の棋士との対戦に取り組んで行く。一方で義姉の香子(有村架純)は相変わらず零に絡んでくる。義弟の歩(萩原利久)は引きこもり。

また零が居候している川本家でも問題が続出。次女が学校でいじめられて零も一緒になって対処に心を痛める。さらに川本三姉妹を捨てたはずの父親が戻ってきて復縁?を迫るが、下心が丸見えであり零は激怒する。そんなこんなエピソードを通じて零は...

■将棋を軸にしていますが、メインは女性たちの織りなす物語(源氏物語風)

将棋といえば、大阪では阪田三吉(坂田三吉との表記も)のような破天荒な人生が思い浮かびます。また「聖の青春」は同じ時期に映画化もされました。ですから本作も将棋の勝負が8割のストーリーかと思ったのですが、原作者は女性でもありそう一筋縄ではいきません。

特に香子。プロ棋士の家に生まれて自分も当然のように女流棋士になるはずだったのに、他人の子供がいきなり家にやってきて才能を発揮し、実の父親からお前は能力がないと引導を渡されたらそれは悔しいでしょう。そんな逆境の女性というシテュエーションは女性作家の好むところかもしれません。

また川本家の三姉妹も本作のヒロインかもしれませんが、私から見ると映画としては冗長になったと思うのですが。私が気になったキャラクターは零の義弟の。映画では本当にさらっと描かれているだけで存在感の薄さが哀れを誘います。原作漫画ではどう描かれているのか判りませんけれど。

歩の少年時代を演じたのは鈴木雄大君。青年時代を演じたのは萩原利久さん。大西利空君と新旧のリクが共演しているのですね。もうちょっと光を当ててあげてもいいと思うのに。各種映画情報サイトやWikipediaを見ても名前すら載っていないのが残念。

川本家の三女を演じた女の子が有名なアニメ監督の新海誠の娘さん、そんな事ばかりが話題になり、どのサイトを見ても、歩役の鈴木雄大君や萩原利久さんへの言及がありませんので、本サイトではちょっと頑張って書いておきます。(でもエンドロールにはちゃんと役名と俳優名が記載されているのはさすが)

葬儀にて。零以外の家族は全員事故で亡くなった
葬儀会場に現れた幸田棋士。お前は将棋が好きか?
(長身の豊川悦司さんは少年を襲う怪人みたい...)

Xmasプレゼントに義父から零が貰ったのは将棋の駒
(思わず笑みを浮かべる零。この駒の意味は重大だ)
しかし次の瞬間笑みが消えた。零の視線の先には..
(義姉、義弟にはは携帯電話とゲーム。この意味は...)

零を見つめる歩と香子(父から引導を渡されたも同然)
(歩とは仲が良かったのに...香子の表情が怖い..)
夢を絶たれた歩(萩原利久)は部屋に閉じ篭って...
(後編のこのシーン。零と歩の関係は少し改善の光が...)







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