穴 The Hole (2004年)

作品総合評価 2点
少年の出番 100%(主役なんですが...)
寸評 暗くて陰鬱。動物虐待ならぬ昆虫虐待も
【少年映画でない理由】暴力と不必要な性的表現
映画情報など 2004年製作。DVD絶版
(写真は主役のタモト晴嵐君)


平成ゴジラシリーズの脚本家。また映画「不思議めがね」の監督である三村渉氏がプロデューサーとして製作した短編映画集ZONE。シリーズとしてDVDが1〜3まで発売され、私はたまたまですが3本とも所有。

ZONEのDVDジャケット

本作品「穴 The Hole」は、ZONE1に収録された6作品の1つ。山岡大祐監督の17分42秒の短編。ネット検索してもまず情報はありません。

6つの作品はをテーマにして6人の監督が競作したものですが、どれも人間のダークな部分を描いたもので後味の悪いものばかり。

唯一少年俳優が登場するのが本作品。主演はタモト晴嵐(そらん)君。彼はこのようなインディペンデント系映画監督の御用達の少年俳優でしたか。

DVDの2と3にも5作品ずつ収録されています。うち、3には中学生主演の作品が1本ありますので、またネタに困ったらレビューします。

オオクワガタを捕るために森に入った勇治と翔一(2人は親友ではない。お互いに憎み合っている)
■ストーリー

小学生の勇治(タモト晴嵐)と翔一(佐藤幸仁)が森へ入っていく。2人は友人ではなく憎悪で結びついた複雑な関係。勇治は大好きな姉が援助交際しているのが嫌でたまらない。

姉と援交している男。実は翔一の父だった。父は家に帰ると母と翔一に暴力を振るう。本当に最低なクソ男。
姉を、母を、クソ男から守りたいという利害が一致した勇治と翔一はお金が欲しかった。小学生男子に出来る金稼ぎは、オオクワガタを捕まえて売ること(ホンマカイナ...)

2人は森で不審な老人に遭遇する。お前たちクワガタを探しているんだろ?俺は秘密の場所を知っている。2人はついていくが、老人は一向に場所を教えてくれない。それどころか絶対に知られたくない2人の秘密を喋り出す。この老人は何者なんだ...

■生きている価値がない?

冒頭、勇治のナレーション。80mm15万、79mm10万、78mm7万...、54mm以下は1500円。
生きてる価値がない!と言いながら小さなクワガタをシャベル(関東ではスコップ)叩き潰します。昆虫とはいえ、リアルイムで命を奪われ、叩き潰された死骸は結構グロいのです。

私は聖人君子でもなく肉や刺身も大好きですので、何キレイ事言ってるんだと思われるかもしれませんが、この冒頭シーンだけで映画は2点以下決定。それでも少年俳優が主役なので何とか最後まで鑑賞。

森の中で出会った不思議な老人は、この潰されたクワガタの霊だったのではと思います。老人の吐く言葉に狼狽した勇治はそれと気づき、持っていたシャベルで老人をも殺害します(さすがにこのシーンは空白)

絶対に知られたくない秘密。姉と援交する男。母に暴力を振るう男。その憎しみの本当の理由。
勇治は姉に対し、翔一は母に対し、性的な欲望を抱いていたのです。それを男に(クワガタの復讐か)暴露され、2人はキレてしまったというのが真相。小学生のお話なのに後味が悪いですなあ...

監督の山岡大祐さんを検索すると、いくつか監督作品はありますが、本作は無かった事にされているような感じです。まあそうでしょうねえ...

勇治は変な少年。姉の部屋に入り、日記を勝手に読む
(姉の下着をかぶり、自身もパンツ一丁で)
日記から知った援交相手に嫌がらせ電話を...
(パンティをかぶっているのは声色を変える事も)


もう1人の少年、翔一の行動もおかしい
援交男の父に暴力を受ける母。ドアの外で盗み聞き
母の悲鳴を聞きながら、手はズボンの中へ
(この状況で欲情するの...間接マゾ?)


森の中で、不審な男(老人)に出会った2人
オオクワガタのいる場所を教えてくれると言う
男は勇治に「姉ちゃんの身体はイケるか?」
狼狽した勇治は男を殺害して穴に...


勇治の秘密。睡眠薬を姉のサプリに入れて...
(この手口は今でも時々ニュースになりますね...)
眠らせた姉と...行為に及ぶとは...
こんな事、映画とはいえ小学生に演技させるか...(怒)
(★勿論このシーンはイメージだけですよ。念の為)





▼イーストエンド劇場へ戻る   ▼第5部トップへ戻る