すばらしき世界 (2018年)

作品総合評価 3点(PFFでは高評価でしたが...)
少年の出番 100%(少年とはいえ16歳ですけれど)
寸評 境遇が辛いのは判る。でもこの少年は嫌いだ...
【少年映画でない理由】年齢オーバー
映画情報など 2018年製作。BD/DVD未発売
(写真は主役の團悠哉君。)


すばらしき世界と聞くと思い出すのはルイ・アームストロングの♪この素晴らしき世界(What a Wonderful World)。映画でもいくつかあります。タイトルとしては陳腐かもしれません。

本作品はPFF(ぴあフィルムフェスティバル)アワード2018で審査員特別賞を受賞するなど大変な高評価を得たそうです。最近のPFFには少年映画が殆ど無いのでチェックしていなかったのですが、BSスカパーで放送されたのを録画して鑑賞。

結論から言いますと私には合いませんでした。レビューもどうしようか迷ったのですが、邦画ネタ不足もあり、少しだけ紹介させて頂きます。

団地の近くにある池。このボートの中が唯一落ち着く世界だった。
(光の加減で池の水面が真っ黒。合成ではありませんよ。)
■ストーリー

16歳の優(團悠哉)。両親は離婚。ある地方の団地に母と2人で住んでいる。(詳細は語られないが)両親離婚以降、優は高校にも行かず家でブラブラしている。1番気の休まる場所は、近くの池に浮かんだボートの中。

無気力な優だが、ちょっとした事ですぐキレる。母親に対しても、女友達に対しても。キレた後は弱気になって謝る。その繰り返し。そんな時、父が再婚する事になり、優を引き取りたいと言い出した。

その話を母から聞かされた時、例によって優はキレて暴れ出した。ところが母もキレた。経済的にも将来的にも母は心を痛めていたのだ。優は決心する。母と一緒にいたいのだが、自分は出ていくしかない...

■可愛げ、甘さを一切排除した少年映画

最近の16歳といえば、まだまだ幼い表情の抜けない少年っぽい子も多いのですが、本作の優には可愛げも甘さも全くありません。ブラックコーヒーみたいなもの。

糸のように細い腕。筋肉の形も見えない胸元。ひ弱そのものなんですが、同情や憐憫を一切拒否するような陰険な眼差しが印象的でした。これで寡黙な性格なら良かったのですが。すぐキレるのが頂けない。

この少年がこのまま学校にも働きにも行かず、40歳や50歳になってしまうとしたら...今起こっている社会問題そのものですね。本作ではそうならないように少年自らが決心したのだと思います(思いたい)

母と優。けだるい雰囲気で食事。
(笑顔にあふれた食卓なんてあったのだろうか)
離婚した父「学校行かないなら俺の職場へ来い」
働き始めたのだが...続かない。


真夜中でも一人でボートに乗る。
(照明もない夜は危険なのに...)
中学の先輩の女子。優「させて」 女子「いいよ」
(16歳のくせにやるんですなあ...)


すったもんだの末、優は家を出る事にした。
父に引き取られる。希望はなさそうだが...
最後の朝。優は母にお願いする。髪切って。
幼い頃から母が散髪。もう終り。優の目に涙が溢れる。



※後記
本作品などWOWOWやスカパー作品はテレビのHDに録画。それをブルーレイにムーブ(合法なので1回しか出来ず)。このブルーレイレコーダーが不調で不調で。本作品も音声が一部出なくなっていたりと。三菱リアルというHDDもブルーレイも内蔵した便利なテレビだったのですが。買替えは経済的余裕が無くて...





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