恋は緑の風の中 (1974年)

作品総合評価 3点
少年の出番 100%(完全な主役ですが...)
寸評 1974年当時の中学生たちや風景が懐かしい。
【少年映画でない理由】どこか少年性に欠ける
映画情報など 1974年製作。BD/DVD発売中。
(写真は当時アイドルで主役の佐藤祐介さん。)


主役の佐藤祐介さん。ほぼ私と同い年(年がバレる...)。一時期は美少年アイドルとして女性に大人気でした。私はどうも鼻について嫌いでした(やっかみ半分、いや、やっかみ全部)

その佐藤さんが主役の本作は長い間ソフト化されず放置。2019年になってやっとDVD発売。そんなもの誰が見るもんか!と思っていたのですが、スカパー日本映画専門chで放送されたので、つい録画して鑑賞。

主役の佐藤さん。やっぱり思いっきり鼻につく演技。ここまで開き直られたら、それはそれで潔くて楽しめました。埼玉県の深谷市がロケ地らしいのですが、昭和の街並みを見ているだけでも、なにかノスタルジー気分。食わず嫌いせず見て良かったと思います。アリスの主題歌もいいし...

悩み大き少年。青春ですなあ...このシーンだけ見ると。
(実際には、ノーテンキで自分勝手。あまり共感できないんですよ)
■ストーリー

埼玉県のある町で暮す純一(佐藤祐介)は中学2年。夏休み。剣道部で部活にも励んでいるが、頭の中は女の子の事でいっぱい。純一は女子に大もてだが本命は雪子(原田美枝子)だ。彼女の家は八百屋。父が病気で家を手伝わなければならない。純一は積極的にアタック。

しかし雪子は父の病気のせいもあり八百屋を畳んで引っ越す事になった。純一はあきらめない。雪子を自分の家に置いてくれと両親に頼むが断られる(そりゃそうですわ)。そこでクラスの仲間たちと相談して町外れの廃屋を借りて部屋を作り、雪子に住んでもらおうと画策。

世間知らずの純一。その熱意には打たれたが、結局雪子は引っ越していく事になった。その日は雨だった...

■ヤマもオチも少ない。典型的なアイドル映画

本作の3年前に公開された英映画「小さな恋のメロディ」の影響を少し受けているのかもしれません。マーク・レスターとトレーシー・ハイドの純愛っぽいのが日本でも人気でしたので。

マーク・レスターに対抗?できる美少年として佐藤祐介さんをキャスティングしたのでしょうか。彼の日本人離れした行動パターンは今見ると新鮮です。とはいえ、母親を押し倒してキスをするシーンは見れません。セリフもとても不自然なんですが、これも美少年アイドルだからこそ許されるのでしょう。

ただ当時は14,5歳なのですが、年齢以上にオッさん臭く見えるのです。美少年には間違いありませんが。素っ裸のシーンが話題になりましたが、後ろ姿だけ。どうも身体の線に少年ぽさがない。まあ映画の本質とは関係ない話ですけれど。

一方でヒロイン役の原田美枝子さん。出番は佐藤さんに比べて多くはないのですが、演技は自然で素晴らしい。彼女のおかげで映画が少し引き締まりました。その後の活躍をみても差は歴然。

純一は剣道部。スポ根とは縁もなく青春を謳歌。
(プレイボーイ。ちょっと嫌味もある...)
この白いモノは何? バカ!それは垢.皮むいて洗って来い
(父にこんな事聞くか...後ろ姿は完全に大人なのに)


純一はモテる。好きでない少女には冷たい。
(上半身裸で告白した少女にひどい言葉を吐いたり...)
母親を無理やり押し倒してキスをする。
(こんなヤツが恥垢も知らない訳ないでしょうが...)


純一の本命は雪子。八百屋の娘。
(健気な美少女。彼女がいなかったら本作の意味なし)
自転車で八百屋の配達。付き合う純一。
(ミニスカートで自転車はダメでしょう。ワザと?)


二人は不良に襲われた。何とか雪子の純潔は守った。
純一は大怪我。警察で事情を話す二人。
純一たちの懸命の工作も虚しく雪子は引っ越し。
(きっと)人生初の挫折。純一の将来にはいい経験では...



※後記
佐藤祐介さんといえば物議を呼んだラーメンのCM。私作る人、ボク食べる人。この食べる人が佐藤さん。いやいや判る気がします。もう一つCM。父親役の福田豊土さん。名前は覚えてなくてもリンゴをかじると歯茎から血がでませんか?のデンターライオン。本当に懐かしい。福田さんの穏やかな佇まい。早くに故人になられたのが残念。





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