木村家の人びと(1988年)

作品総合評価 4点
少年の出番 60%(主人公一家の長男。意外にキーパーソン)
寸評 金の亡者一家。ついていけない長男
【少年映画でない理由】テーマが異なる
映画情報など 1988年製作。VHSビデオ廃盤。
(写真は伊崎充則君)


バブル真っ只中の1988年。誰も彼もがお金の亡者。最もバブルに浮かれていたフジTVの製作。原作は谷俊彦氏の小説。この方の情報は多くはありませんが画家としての方が有名なようです。(故人)

私は2019年になってWOWOWで鑑賞。単なるドタバタコメディと言ってしまえば簡単ですが、バブル期の世相がよく出ています。良くも悪くもフジTVクオリティー。とにかく元気な時代でした。

見所は子役の伊崎充則君。既にTVドラマで活躍していたとはいえ、演技力というか存在感が抜群。最後は主役を食ってしまいそうなほど。

今日の収入。お金を嬉々として数える家族。太郎はふと疑問を持つ。これっていいのかな..
■ストーリー

小学生の太郎(伊崎充則)は両親と姉の4人家族。一家は小金を貯める事に取り憑かれている。父は新聞配達請負(近所の老人に配達させて上前ピンハネ)、白タク(犯罪!)、母は弁当屋、テレホンセックス、姉は廃品回収元締めなど他にも色々と。太郎だけはついていけない。

伯父夫婦と祖母が家を建替える間だけ木村家に同居する事になった。ボケの始まった祖母だが木村家のパワーで正常に戻り出す。しかし伯父夫婦は金の亡者ぶりに嫌気がさすばかり。ただ太郎だけは正常なのが救い。やがて家に戻った伯父夫婦は太郎を養子にしたいと申し出た。

驚いた両親。しかし太郎の手紙をみて反省。小金集めを止めると宣言(その代りベルマークを集めると)。木村家は火が消えたようにパワーダウン。耐えきれず父が復活宣言。太郎は伯父夫婦の養子になる事に決めたが...

■結局、息子よりもお金を選択した父だったが...

バブルの時代。大変なようでのどかな時代でもありました。鹿賀丈史さん演じる父親は会社で出世コースから外れた窓際部署(資料室?)。ここへ配属されたら人生の終わりみたいな...

でも父親はある意味前向き。殆ど仕事がないので自分の小金集めに集中できるし。給料はそこそこ(今の非正規の方から見れば超セレブ!)で郊外に一戸建てマイホーム車も。過ぎ去りし日本の豊かな時代でした。

さて見出しの件ですが、息子に金の亡者を批判されて一度は止めます。でも結局人間の本質は変えられず。息子を失う事を承知で金儲けを再開。息子を養子に出しますが、息子はやっぱりお父さんがいいと...
(ご都合主義ですなあ..)

母親役の桃井かおりさんが熱演。隣家のイケメン主人にヨロメいたり、テレホンセックスのアルバイト。なんと小学生の姉も母に代わってテレホンセックス対応。電話の向こうでは変態ロリコン男が布団の中で行為の真っ最中。こんな事が普通に表現できる時代でした。

是非みて下さいと言える程の作品ではありませんが、機会があればご覧になって下さい。伊崎充則さんのファンでもなければ、一度みれば十分です。

太郎も朝から弁当作り。
(もちろん売り物の弁当)
姉は児童会で地域の廃品回収の元締め。相当なヤリ手
(右後ろは名曲♪にんげんっていいな の中島義実君)

別の廃品回収車を発見、ショバ荒し!と追いかける.
(姉は冬でも1人だけ「はっちゃく」ファッション)
太郎は級友からカツアゲされる。金ためてんだろ!
(男子にも1人だけ半ズボンの子がいて安心)

伯父から貰った聖書で「罪」に気づく。
(日本人が恐れるのは「罪」ではなく「恥」 これが問題)
伯父の家へ養子に行く道で..
やっぱり父ちゃんに抱きつく太郎。


※後記
ボーイッシュな服装がチャーミングだった小学生の姉役は岩崎ひろみさん。キャストをみて最初は「ふーん岩崎宏美って子供の頃はこんなだったのか」と。ええっ待てよ。彼女って...もっとずっと年上じゃないの?
やっぱり別人でした。どうでもいい話でした。





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