泣き虫しょったんの奇跡(2018年)

作品総合評価 6点
少年の出番 25%(小学生役、中学生役合わせて約30分)
寸評 一度は挫折した夢が叶うサクセスストーリー
【少年映画でない理由】出番過少。
映画情報など 2018年製作。BD/DVD発売中。
(写真は小学生時代役の大川星哉君)


ここ数年で目立つようになった将棋をテーマにした作品。最年少でプロ棋士になった藤井聡太七段(2020年現在)が注目を浴びたせいもあるのかもしれません。

本作品はプロ棋士である瀬川晶司氏の自伝を映画化。つまり夢物語と違って実話とという点で説得力が大いに違います。しかし、ヘボ将棋しか出来ない私にとってあまり興味のない作品でした。

気になったのは、俳優 窪塚洋介さんの中学生のイケメン息子が本作でデビューとの話題。そこでレンタルで視聴。主人公とライバルのそれぞれ小学5年生と中学生で別の子役を起用しており合計4人。なにか2倍お得な気分でした。

ユウヤ(田中奏生)と晶司(大川星哉)。2人の将棋人生の始まりだ。
■ストーリー

小学5年の晶司(大川星哉)と隣家に住むユウヤ(田中奏生)は、新しく赴任した先生の勧めもあり将棋に熱中し始めた。父に連れられて町の将棋クラブへ通うようになりメキメキと力をつけていった。晶司とユウヤの腕前はほぼ同じ。勝ったり負けたりのいいライバル。

中学生になった晶司(窪塚愛流)とユウヤ(後藤奏佑人)は中学全国大会の初戦で対局。負けた晶司はトイレで悔し泣き。ユウヤは決勝まで進出したが敗れた。将棋クラブの主人は2人を奨励会へ進むよう強く勧めた。晶司は試験に合格して奨励会へ。ユウヤは辞退して名門高校の受験へ。

奨励会で三段に昇格し、年2回の三段リーグ戦で2位以内に入れば四段(プロ棋士合格)。年齢制限は26歳まで。晶司には8回チャンスがあったが、結局勝てずに奨励会を退会。しかし夢は捨てきれずアマ名人になりプロ棋士との対戦も勝率7割。そんな晶司に話が持ち上がった。将棋界のタブーを破ってプロ棋士試験を受けないかと。

■淡々とした展開。それが見ていて心地よい。

一戦、一戦、将棋にヤマ場があって手に汗握る展開がある訳ではありません。将棋の内容には一切触れずに勝負は淡々と決まります。「負けました」それだけ。将棋が好きな方には物足りないのではと思います。でも私にとってはそこが面白かった。プロレス映画などのように無理にテンションを上げないのが好感。

晶司役の大川星哉君と窪塚愛流君
(2人とも本当に脚が長い)

大人の晶司を演じた松田龍平さんの抑えた演技が本当に生きています。もともと能面のように表情の見えない俳優さん。最後に大きな感動がある訳ではないのですが、不思議な満足感が得られました。

窪塚洋介さんの息子の窪塚愛流君。イケメンというより本当に中学生らしい素朴で可愛い少年でした。何より脚が長い。もう少し出番があればと思いますが、これから活躍されるのでしょう。

小学生時代役の大川星哉君。当然ながら愛流君と雰囲気は似ています。脚が長いのも。時代的に半ズボンですから本当に脚の長さが目立ちました。

ユウヤ役はベテラン?子役の田中奏生君。本作4人の小中学生役では1番の安定感。田中君はもったいない使い方。もっと活躍して欲しい子役さんです。


小学生の晶司。目立たない少年だった。
(将棋はそこそこやっていたけれど)
隣家のユウヤ。ライバル出現で全く変わった。
(田中奏生君はいい味出しますなあ...)


自転車で争うように将棋クラブへ通いつめる
(2人の自転車疾走シーンは中学生になっても)
大人や高齢者に混じって将棋の対局。
(もうもうと立ち込める煙草の煙。マスクで防御)


中学生になったユウヤと晶司
(白の半袖カッターは中学生のシンボルですなあ..)
(一番上のボタンまで締めるのがダサくて可愛い..)
全国大会は敗退。でも奨励会に進路を決めた。
(本作中で愛流君の一番可愛いカット)



※後記
退会して失意のどん底の晶司にユウヤがかけた言葉。俺が一緒に奨励会に入っていたらお前はきっとプロになれた。少年時代からのライバル。いい関係のライバル。もしいてくれたら晶司は実力を発揮できたのでしょう。一方ライバルとの熾烈な争い、嫉妬、妬み...こんなのも乗り越える必要がありますけれど。





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