記憶の灯 (2019年)

作品総合評価 5点
少年の出番 35%(成人がメイン。でも少年時代の回想も多い)
寸評 南島原市の地元映画。28分。映像としてはgood。
【少年映画でない理由】出番少ない。
映画情報など 2019年製作。youtubeで全編公開中。
写真は梅谷祐成君。


記憶の灯(きおくの「あかし」)。長崎県の南島原市で製作された短編映画。これが2作目との事。このような地元映画は全国で盛んに製作されています。それらが一同に会するショートショート・フィルム・フェスティバルはまるで短編映画の甲子園のようなものでしょうか。

地域の名所や名物を全面に押し出した観光映画はもう時代おくれ。若手の映像作家や監督を呼んでアートとして意欲的な作品が増えてきているような気がします。それでもギャラなど経費節約?のためなのか少年や少女俳優の出演が多いのも嬉しいところです。

ただ映画は作っても劇場公開なんて出来ないのが日本の実情。せいぜい地元のシネコンで1週間くらい。これでは作っても誰にも見て貰えません。そこで思い切ってyoutubeで無料公開。本当に有難い事です。

登校する綾乃と健人。南島原の豊かな自然は少年少女の心を優しく包んでいく...
■ストーリー

名古屋の小学生 健人(梅谷祐成)は病気になり、遠い親戚のある南島原市の病院に入院。退院したが、そのまま親戚の家に引き取られた(両親に捨てれられた?)。同じ病室だった少女の綾乃も退院して健人と同じクラスになった。

心に傷を持った健人だが、周囲の優しさに包まれて自分を取り戻していく。15年後。大人になった健人が久し振りに帰省。そして綾乃にプロポーズする...

■主人公の生い立ちや葛藤がよく判らない...

28分の短編なので仕方ない部分もあります。なぜ少年は1人で入院しているのか、何の病気なのか、両親はなぜ少年を捨てたのか、少年を引き取った女性は誰なのか、一切説明がありません。セリフでそれとなく匂わせてはいますれど。

本作の1番の失敗。肝心のセリフが非常に聞き取りにくいのです。録音や音声さんの技術不足なのか、セリフ指導が下手なのか、それともこれが意図した演出だったのか。

本作に限らず最近の邦画全体に感じる事です。昔は多少不自然になってもセリフははっきり発音。音声や録音も職人技。それが今はナチュラルなセリフ回しを求めるあまり、聞き取りにくいのです。字幕が欲しいくらい(私が年をとってヒアリング能力が減ったのかも...)

セリフやストーリーの細部にこだわらず、28分のプロモーション映像だと思えば実にいい作品です。暗い貌をした少年。それに寄り添ってくる少女。そして大人になった2人。もどかしいほど不器用な青年。少年と少女の時代に欠けていたものを取り戻すように結ばれていく。

病院の屋上から海を見る健人。左は点滴。
(なぜ入院しているのかは不明...)
健人に付き添ってくれる婦人。
この人が母親(がわり)になってくれるのか...


隣のベッドの綾乃がいつも話かけてくれる。
あなた泳げないんでしょう。(これが後の事件に)
退院して引き取られた。暗い顔のまま。
(エキゾチックな目が少し北村匠海さんぽくて...)


学校で体調を崩した綾乃を見つけた!
健人は駆け寄り、綾乃を背負って医務室へ
ラストシーン。灯台の下で健人は綾乃にプロポーズ
(これが記憶の灯。少年の健人が海に飛び込んだ場所)



※後記
映画.com や Yahoo映画ではスルーされていますが、南島原市ホームページに詳しく情報が掲載されています。これが公式サイトかもしれません。
お詫び。市のホームページに記載された映画のストーリーに疑問があると書いてしまいましたが、私の方が映画をしっかりみていなかった事が判明しました。お詫びして削除しました。再度映画をよくみて本文も修正いたします。





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