トイレの花子さん (1995年)

作品総合評価 5点
少年の出番 80%(主役3人の1人ですが...)
寸評 ジュブナイルホラーとしては合格点
【少年映画でない理由】女子中心。少年は存在感薄い
映画情報など 1995年公開。VHSビデオ絶版.
写真は井上孝幸君。


学校の怪談としては最もポピュラーな話で映画、ビデオ、アニメ、漫画と数多くの題材として使われています。映画として最初に公開されたのが本作。私もテレビで見た記憶があります。レビューを書くためレンタル店に行ったのですが、DVD化されていませんでした。

youtubeで改めて鑑賞。同時期に製作された学校の怪談シリーズとほぼ同じような出来です。しかしその後のトイレの花子さんはジュブナイルではなくヤングアダルト系になり残念な作品ばかり...

左は転校生の冴子。中央は冴子を「花子さん」だと言って狼狽する女子。右はタクヤ。
(1995年。まだ体操服は短パンとブルマーでした。)
■ストーリー

兄タクヤ(井上孝幸)と妹ナツミ(前田愛)の通う小学校には「トイレの花子さん」の噂があった。タクヤのクラスに冴子(河野由佳)が転校してきた。冴子は超美少女で秀才。そのため嫉妬した女子連中は陰湿なイジメを開始した。ただタクヤだけは冴子と親しくなった。

冴子の周辺で奇怪な事が起こる。飼っていたヤギの首が切られたり...女子たちは冴子を花子だと決めつけ、トイレに閉じ込めた。怖くなったタクヤも冴子を助けない。しかし妹のナツミは冴子を助けようと動き出した。そこへ変質者の男が学校にやってくる。実はこの男が全ての犯人だった...

■情けない少年...

転校してきた美少女。井上孝幸君演じるタクヤもお似合いの美少年ですが、トイレで幽霊のようなモノを見たとたんに腰抜け少年に。家では生意気盛りで両親や妹に偉そうな事ばかり言ってるくせに。

そこへいくと妹ナツミは一本筋が通っています。年上の美少女冴子への憧れもあったのでしょう。それはともかく本作は妹を演じた前田愛さんが完全に主役。ボーイッシュな前田さんと井上君は雰囲気が似ていて本当の兄妹のように見えました。(ただ井上君は見る角度で元AKBのMさんっぽいのが残念)

兄タクヤもこのままヘタレで終るのかと思っていたら、最後は勇気を出して冴子を助けに行き、なんとか男の面目躍如。(後から助けに行くなら最初から彼女を信じなさい.ダメなやつ!)

一番不快に思ったのが陰湿な女子グループ。兄のクラスも妹のクラスにも陰湿女子グループがいてイジメ。実際の女子小学生の裏側はこんなものなんでしょうか。この連中にもお灸を据えて欲しかったのですが、最後はちゃっかり正義の側に...

タクヤとナツミの兄妹。
(雰囲気はよく似ていました)
ナツミと学校で飼っているヤギ。
このヤギは首を斬られて...(右はナツミの同級生)


タクヤは少し悩む。どういう態度を取ろうか...
冴子が女子にイジメられている
体育の時間が終わった。冴子が近づいてきた。
(冴子は心労が重なってか体育は休んでいる)


冴子を待っている時、不気味な影が出現!
タクヤは階段を踏み外して...
女子たちの言う通り、冴子は花子さんなのか?
怖くなったタクヤは、情けない事に彼女を裏切る


トイレ閉じ込められた冴子を助けるタクヤだが...
変質者の男が2人に襲いかかる!
別ルートで助けに来た先生とナツミ
(左はナツミに腰巾着のようにまとわりつく同級生男子)



※後記
小学校と変質者といえば、86年の「プルシアンブルーの肖像」を思い出します。時間を超えた美少女2人が主役でしたが、少年もそれに負けない活躍。映画の出来もプルシアンの方がずっと上でした。玉置浩二さんの怪演もありましたし。





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