ぼくらの七日間戦争 (1988年)

作品総合評価 4点
少年の出番 100%(少年8人、少女3人)
寸評 現実味の薄い学園もの。中学1年生には到底見えない。
【少年映画でない理由】年齢オーバー
映画情報など 1988年公開。BD/DVD発売中.
写真は大沢健君。


多くのジュブナイル小説を書かれた宗田理氏の代表作を映画化。申し訳ありませんが氏の作品は読んだ事がありません(一度読んでみます)。当時は宮沢りえさんの初主演作という事で話題になりました。

立てこもった廃工場を調べる男子中学生たち。グーニーズみたいで...
■ストーリー

関東にある青葉中学校。厳しい校則や管理、教師による理不尽な体罰。これに抗議して菊池(菊池健一郎)ら1年生男子8人が家出して廃工場に立てこもった。生活用品や食料を持ち込み、キャンプ気分だった。しかし教師たちが見つけて連れ戻そうとするが、8人は仕掛けを作って撃退。

途中から中山(宮沢りえ)ら女子3人も合流。そして廃工場の地下に戦車があるのを見つけた。教師たちは警察や機動隊を伴って中学生らを排除しようとするが、またもや失敗。その夜、戦車に仕掛けた花火を打上げて歓声をあげた。次の日、中学生たちは戻ってきた。意気揚々と...

■前半はなかなか。

中学生たちが学校や教師たちに反旗を翻して廃工場に立てこもる。リアリティの無さはおいといて、そこに色々と好きなものを持ち込んでキャンプ気分。喧嘩もしますが男子だけなので、ジュール・ヴェルヌの「十五少年漂流記」っぽい雰囲気も感じられて興味深く鑑賞できました。

少年たちのリーダー役を演じたのは菊池健一郎さん。熱演でしたが、どう転んでも中学1年生には見えないのが残念。他の少年たちも同じ。唯一それらしく見えたのは大沢健君だけ。彼も顔は大人っぽいのですが、声変り前の高い声が印象に残りました。

■後半は荒唐無稽。

教師や機動隊と対決する後半は、ドラマというよりバラエティ。この頃の人気番組だった「風雲!たけし城」のノリでした。戦車まで登場させて。でも戦車を活用する訳でもなく、ただ戦車があるというだけ...
(戦車は東映が作った61式中戦車の精巧なレプリカ。色んな映画に登場するようです。)

そして女子3人が加わり主役は宮沢りえさんに。ただ彼女の美少女ぶりとお色気を楽しんで下さい。そんな感じになってしまいました。主役と書きましたが、全体的には少年少女の群像劇。私としては大沢健君にもう少し活躍して欲しかった。それだけ。

先生からも期待される優等生だったが...
(大沢健君は秀才顔。当時13歳くらい。声変りはまだ。)
廃工場に立てこもった中学生8人
(顔も服装もチンピラ風で中学1年にはとても...)


クラブ活動の服装で運動する生徒たち。
(ヒマを持て余したのか、運動不足解消なのか...)
焦点は外していても、この角度でズーム撮影しますか?
(さすがに恥ずかしいのか下は海パンでした)


お前も運動しろよ!と言われるが...
(優等生は廃工場でも勉強。面白くないヤツ...)
廃工場を守るための「仕掛け」を設計する
(戦国時代の城のようなトラップを...)


女子が合流。1人だけ露出度の超高い服装で...
(サービスショット満載。宮沢りえさん)
戦車に上る優等生君。服装がダサい...
(ズボンが太すぎ。宮沢さんを見習って欲しい)



※後記
厳しい生徒管理。神戸で起きた女生徒の校門圧死事件を連想させるようなシーンもあり、それを批判しているのかと思いましが、事件は本作の2年後でした。いずれにしても難しい問題です。
大沢健君は2年後の1990年に写真小説「サーカスの少年」に登場。露出の高い服装も披露してくれていますが、年齢的に今ひとつでした。本作時点であの写真小説のモデルになってくれていたら...





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