男はつらいよ 旅と女と寅次郎 (1983年)

作品総合評価 6点
少年の出番 10%未満
寸評 いつ見ても安心。これぞ国民映画。
【少年映画でない理由】出番過少。
映画情報など 1983年公開。BD/DVD発売中.
写真は吉岡秀隆君。


もう何も書くことはありません。日本映画を代表するシリーズ作品。2019年に最終50作目が公開されました。主役の渥美清さんはお亡くなりになられていますが、甥っ子の満男役の吉岡秀隆さんの目線で。

今回ご紹介するのは第31作目。満男が小学生最後の年。吉岡秀隆さんが少年俳優として最も旬な時期かもしれません。出番はそう多くはないのですが、それでも本シリーズの中では印象に残る役どころでした。

小学生最後の運動会の準備をする満男(右側)
■ストーリー

寅次郎(渥美清)が柴又のとらやへ戻ってきたのは、甥の満男(吉岡秀隆)の小学生最後の運動会の前日。運動会に出てやると言ったのに、満男に(やんわり)断られて激怒した寅次郎はまたプイッと出ていった。

佐渡島へ渡る漁船に乗せて貰う寅次郎。そこへ人気歌手の京はるみ(都はるみ)も乗せて欲しいと。2人はそのまま佐渡島へ渡る。京はるみは失恋で歌えなくなり逃げ出してきたのだった。寅次郎は人気歌手と知りながらも知らないフリをして旅を続ける。やがて追いかけてきたスタッフに連れられて京はるみは帰っていった。

寅次郎との旅でふっきれた京はるみは復活。そしてある日、とらやへやってきた。寅さんに会いたいと....

■ワンパターンの楽しさ

映画冒頭は寅次郎の夢。寅次郎は舞台役者。佐渡金山で金塊を手にして故郷の柴又に戻ってきた流れ者の役。観客から万雷の拍手を貰ったところで目が覚める。ということで今回の舞台は佐渡島。

また今回のマドンナは都はるみさん。まあ毎回毎回大物女優や歌手が...本当に羨ましい限り。ただ寅さんは感謝はされど、恋は成就しなかったり空振りだったりと。でもこれがシリーズが長続きする秘策。成就してしまったら終りですもんね。結末が判っていても面白く見れる偉大なるワンパターン。

最近はテレビ等で見かけなくなった都はるみさんですが、本作では歌もしっかり聴けます。また歌はありませんが、冒頭シーンで矢切の渡しに乗って逃げていく男女2人。まだスリムだった細川たかしさんでした。

■吉岡秀隆さん

満男役は第27作(1981年)から。ちょうど人気ドラマ『北の国から』と重なっているようで大変だったのではと思います。ただ『男はつらいよ』は本当にチョイ役の印象しかなかったのですが、本作では渥美清さんとの絡みもあり、これから重要な役になっていく期待感がありました。

どうしても『北の国から』のの印象が被りますが、今回WOWOWで放送された本作をじっくり見ますと、純とは違うキャラをしっかり演じていたようで、さすが大物子役。まあ出番が短いのもありますけれど。

冒頭は寅次郎の夢。舞台役者。寅次郎は流れ者...
満男(吉岡秀隆)は丁稚どん。店を開けると...
寅次郎を捕まえにきた岡っ引き連中だった!
右は女将役のさくら(倍賞千恵子)


明日の運動会。父の代りに寅さんが来るって?
おじさん、来なくていいよ。運動会なんて面白くないし
俺が行くのが嫌なのか、満男、どうなんだ!
問い詰められた満男。とうとう泣いてしまった。


寅次郎の置き手紙。必ず1等賞とれよ。
小遣いは500円。(500円紙幣が懐かしい)
何と大スターの京はるみ(都はるみ)がやって来た!
お茶を持って行く満男。ドキドキしながら...


京はるみは寅次郎にお礼を言いに来たのだった。
お茶を出した後もちゃっかり居座る満男。
寅次郎はまた旅に出て行く。見送る満男。
(アウトフォーカスですが、少年らしい体型がいい...)



※後記
吉岡秀隆さんが子役時代。あるバラエティ番組(明石家さんまさんの番組だったような)に出演。彼は倉本聰作品と山田洋次作品にしか出ないんだよ。大物ばかりやないか(贅沢なやっちゃ)と言われていたの覚えています。子役時代にいい監督や脚本家に巡り会えるのが大成する秘訣。でもこれは運でしかありませんねぇ。





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