さんかく窓の外側は夜 (2021年)

作品総合評価
少年の出番 10分あまり
寸評 カルト教団の真のボスは少年だった。
【少年映画でない理由】出番過少
映画情報など 2021年公開。BD/DVD発売中。
写真は笠松基生君。


原作は女性漫画家によるオカルト・ミステリー漫画。BL(ボーイズラブ)の要素もあるそうです。全く知りませんでしたが、WOWOWで放送があり、何の気なしに視聴。そのまま見流す予定でしたが、後半の修羅場で主人公の少年時代が描かれます。これが印象に残りましたので、少しだけレビューします。

感情を爆発させて呪いをふりまき、惨劇を引き起こした少年。何を想うのか...

三角(志尊淳)は霊が見えたが関わらないようにしていた。ある日、職場の書店に冷川(岡田将生)という男が来た。男が三角の身体に触れると霊の存在が驚くほど明確に見えた。冷川は三角を助手にスカウトする。除霊を行う事で報酬を得る仕事だった。冷川は警察にも一目置かれており、殺人事件の相談を受ける事もあった。

ある殺人事件の遺体を調査すると呪いがかけられていた。そこには怪しい女子高生の存在も。事件は冷川の少年時代に関連している事が判った。カルト教団の御曹司だった少年時代の冷川(笠松基生)が感情を爆発させて呪いをかけた結果、教団のほぼ全員が狂死。生き残ったのは教主の男だけ。その男が事件に関係している。


殺人事件、カルト教団、呪い、オカルトなど若い人が好みそうな題材がてんこ盛り。そして主人公のイケメン青年たち。この二人が妙にベタベタと身体接触したり、目を合わせています。これがBL要素というやつで、これを好む女性が多いとか。

私にしてみれば、二人はイケメンかもしれませんが、いい歳をした大人でボーイとは称して欲しくありません。せめて Young Men's Love くらいにして欲しいところ。いやどうでもいい話でした。

女性はこれを見てどう思うのでしょうか。イケメン二人だけだとつまらないのでは。それもあるのでしょうか、ここでは不思議な雰囲気を持つ美人の女子高生が登場します。見ている女性の方は彼女に自分を投影しているのかもしれません。

さてカルト教団で大切に扱われていた少年。彼は凄いパワーの持ち主。そのパワーを爆発させて建物内にいた人間を全て殺害。少年自身もパワーの反作用で倒れます。やって来た警察は、死因を呪いだなんて判りません。単なる心停止。薬物なのか集団自殺なのか。少年も被害者で唯一の生存者と発表されました。

そんな凄惨な体験をした少年が、除霊を仕事にするまでにどんな経緯があったのか興味深いところ。でも原作漫画を読む気にはなれませんけれど。


少年時代の三角。霊が見えたが、信じて貰えなかった。
演じているのは西間木 冠(にしまぎ かむり)君。
カルト教団にいた少年時代の冷川。
カレイドスコープ(万華鏡)を見る事だけが楽しみ。


教団にいる母親とも自由に会話が出来ない。
少年には不満が蓄積していく。
自分も血だらけになった少年。
彼も被害者の一人として扱われた。



※後記
しつこくBLの話。Boys' Love と Boy Love 似ているようで大違い。後者は世間では白い目でみられます。ずっと昔の大学時代、第2外国語でドイツ語を履修。Knaben Liebe という言葉に反応した記憶がありました。その時は反応しただけですぐに忘れましたけれど。





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