ゾッキ (2020年)

作品総合評価 B-
少年の出番 15分ほど(作品「父」)
寸評 愛知県蒲郡を舞台にした妙なオムニバズ。
【少年映画でない理由】出番過少
映画情報など 2021年公開。DVD発売中。
写真は潤浩(ゆんほ)君。


大橋裕之氏の短編漫画集からセレクトして実写化したオムニバス映画。監督は竹中直人、山田孝之、齊藤工の3名。作品は「秘密」、「Winter Love」、「伴くん」、「父」の4作品。他に鈴木福君主演の「アルバイト」が狂言回し的な位置付けで展開。このうち少年俳優が登場する「父」に絞ってレビューします。

深夜の高校のグラウンド。マネキン人形みたいな幽霊とマサル。
(オシッコを漏らしたので、パンツを脱いで毛布を巻いている)

小学生のマサル(潤浩)の父(竹原ピストル)は仕事もせずダラダラ。マサルは遊園地に連れて行って欲しいが、父は屁理屈ばかりで無視。父が高校の部室のカギをまだ持っている事に気づいた。真夜中、父はマサルを連れて高校に忍び込んだ。遊園地なんかよりずっと楽しいだろ?

父はボクシング部の部室に侵入しサンドバッグを盗み、同じく盗んだリヤカーに載せた。一方マサルは幽霊をみてオシッコを漏らす。父子の前に幽霊が立ち塞がった。父はマサルを置いて逃げた。残されたマサルは幽霊と言葉を交わす。幽霊は消えて父も戻ってきた。父子は家へ帰った。その10日後、父は別の女性と家を出た。


オムニバスですが、作品の切れ目が判りにくく内容も微妙に絡んでいます。舞台は同じ蒲郡ですが、時系列は20年くらいにわたっているようです。3人の監督での連係プレイはなかなか見事。

ネットでの批評をみると「伴くん」という作品が最も高評価。私はこの「父」が一番好きですけれど。竹原ピストルさんと潤浩君のコンビが絶妙。いい加減な父親と、少し気弱な息子。潤浩君の嫌味の全くないセリフと表情。やっぱり天才子役の一人といってもいいでしょう。

幽霊から逃げて自販機の前で一休み。息子もちょっと背伸びして父と同じ缶コーヒー。でもやっぱりココアにしとけば良かった。そんな父子の会話が心地よくて。もっと父子の演技を見ていたい。そんな気分になりました。

さて幽霊。この高校で自殺した女子高生の幽霊との事。最初の話「Winter Love」で登場する女子高生。嫌な噂を立てた同級生の少年を叩き伏せ、蹴り上げる気の強い女子だったのですか。ちなみに叩きふせられた少年はなかなか美少年。その少年が成長した役を松田龍平さんが演じます。

狂言回し的に登場する鈴木福君ですが、もう少年ではなくて青年。レンタルビデオ店のアルバイト。アダルトビデオで卑猥な文字を書くシーンは、なんとなく残念。もう少し純真な少年でいて欲しかった。


父が高校時代の部室のカギを見つけた。
よし、今晩高校の部室へ行こう。面白いぞ。
高校の門を越える時、父はマサルを抱き上げた。
父はしばらくマサルを抱きしめた。なぜだろう。


父に言われて見張りをしていると、
女性の幽霊が現れた。思わず身体が凍った。
幽霊から逃げて自販機の前のベンチで一休み。
父子が肩寄せ合って缶コーヒー。いいなあ...


「アルバイト」より鈴木福さん。
このアパートで一人暮し。もう大人でしたか。
「Winter Love」より女子高生に殴られる男子生徒。
アイツのおならは臭い。そんな噂を流してしまった。






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