百奇夜噺 (2023年)

作品総合評価 短編ホラー集。可もなく不可もなく
少年の出番 全9話のうち、1話と4話が少年が主役。
寸評 冒頭の『鬼の呼び声』が印象的。
【少年映画でない理由】映画全体では出番少ない。
映画情報など 2023年公開。DVD発売中。配信あり。
写真は1話の斉藤應之介君。


Amazon Primeビデオの無料作品でたまたま鑑賞したものです。最近は頭を使わなくていいホラーばかり見ています。本作品は監督がそれぞれ違う9話のオムニバス。1話『鬼の呼び声』、4話『僕を呼んだ?』が少年少女が主人公。2/9なら拾い物かもしれません。

夏休み。祖父の家にやってきた。全く気乗りしない。

1話『鬼の呼び声』
夏休み、祖父の家に預けられた少年ケンタロウ(斉藤應之介)。祖父は鬼の面を大切に祀っている。祖父が外出中、ケンタロウは鬼の面を外して遊んでいると玄関に来客。それは鬼だった。追い詰められるケンタロウ。そこへ祖父が帰ってきた。しかしそれは祖父では無かった...

4話『僕を呼んだ?』
子供が行方不明になるという公園へショウゴ(佐久間一希)、ヒロト(亀井力斗)、ユイ(木村レイラ)の3人が遊びに来た。だるまさんが転んだをしていると、ショウゴを呼ぶ声が。あたりの風景が歪んで何者かが近づいてくる。気がつくと3人の服には真っ黒な手形が無数についている。そして3人は...


1話目の鬼の呼び声。夏休みに祖父の家に預けられた少年。祖父はいきなり鬼の面を拝むように命じます。いやいや拝む少年。もともと祖父の家なんかには来たくなかったのでしょう。祖父が外出すると、なんだこんな面、そんな鬱憤ばらしのように乱暴に扱っていると...鬼がやってくる訳です。

鬼の面は鬼を封印していたのです。そして帰ってきた祖父は面を破壊しました。実は鬼が祖父に化けていたのです。この辺は欧米の悪魔ものの影響でしょうか。悪魔は親しい人間に化けて襲ってきます。少年役の斉藤應之介君の演技が素晴らしい。こんな短編ではもったいないくらい。

4話目の僕を呼んだ?。そもそも3人の小学生がこんないわく付きの公園にやってくるのが不思議です。何かの怪に引き寄せられたのでしょうか。そこにいた正体不明の女子高生に「帰った方がいい」と言われながらも遊び続ける3人。やがて3人は異次元に飲み込まれてしまったのでしょうか。

1、4話以外のエピソードは、ほぼ全て女性が主役です。日本のホラーの例にもれずワーワー、キャーキャー系の女性ばかり。欧米ホラーで女性が主役の作品は、もう少し知的な感じがして感情移入しやすいのですけれど。


(1話 鬼の呼び声)神棚より高い位置に鬼の面があった。
家に帰った時は必ず拝むんだ。祖父は言った。
(1話 鬼の呼び声)祖父は用事で出掛けていく。
鬼の面が気になって仕方がない。



(1話 鬼の呼び声)祖父の家で留守番。退屈で仕方がない。そうだ鬼の面を見てみよう...


(1話 鬼の呼び声)鬼に襲われた時、祖父が帰ってきた。ほっとする少年。
こんな鬼の面があるから襲われるんだ。壊してしまえ。祖父は言った。


(1話 鬼の呼び声)祖父に言われて少年は鬼の面を割った。その時、本当の祖父が帰って来た。
さっきの祖父は何だったのか。少年の後ろには恐ろしい影が...



(4話 僕を呼んだ?)公園にやってきた3人の小学生。
左からユイ、ヒロト、ショウゴ。
(4話 僕を呼んだ?)「だるまさんが転んだ」
ショウゴは不吉な予感があったが遊び始める。



(4話 僕を呼んだ?)変な声が聞こえたと思ったら周囲が暗転。ショウゴに駆け寄るヒロト。


(4話 僕を呼んだ?)ショウゴが指さすヒロトたちの服には真っ黒な手形が無数に...



※後記
本作品は「現代怪奇百物語シリーズ」の中の1作品。短編オムニバスの映像作品でDVDと配信が主体のようです。ですが、いくつかの劇場で特別上映がされたそうですので、映画としてカテゴライズしました。





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