La gran aventura (1969年)

製作年・国 1969・メキシコ
少年映画評価
お薦めポイント 少年が2人がメキシコ中を大冒険。
映画情報など 国内未公開。海外版DVDあり。
写真はフリアン・ブラヴォ君。


メキシコのアカプルコに住む少年ぺぺ(フリアン・ブラヴォ)は母と大聖堂へやってきた。愛犬を連れて。一方、スペインの富豪の息子ファニート(ニーニョ・デル・アルコ)も両親とメキシコへ来て大聖堂でお祈り。ぺぺの犬を見てスペインの愛犬を思い出す。その時、犬が追い出され、ぺぺが追いかけた。なぜかファニートも一緒に...

2人は犬を取り押えたがアクシデントで荷車が火災に。逮捕されると思い込んだ2人の大逃走劇が始まる。トラックの荷台や列車に無賃乗車。何回も捕まりそうになるが逃げ出す。ファニート行方不明はニュースになり報奨金まで。2人の旅はどんどん首都から離れてしまう...

最後は富豪の自家用機に潜り込んでアカプルコへ戻る。さらにモーターボートで海に逃げるが、愛犬が海に落ちて行方不明。ここで2人の旅は終わった。海岸で泣くぺぺ。そこへ海から犬が戻ってきた...


日本語なら大冒険というタイトルでしょうか。とにかく2人の少年が次から次へと冒険(というか逃走劇)を続ける、いわばジェットコースタームービー。最初は面白かったのですが、同じパターンが続くので少し飽きてきます。それでも、のどかなメキシコの風景と少年たちの半ズボン姿が見ものでした。

今はトランプ前大統領にボロクソに貶されるメキシコ。でも本作1969年のメキシコは違うようです。1968年にメキシコ五輪が成功。世界から観光客も多くアカプルコは大リゾート地。素晴らしい古代遺跡もあり、本作品でも少年2人が遺跡を駆け回ります。

少年ぺぺを演じたフリアン・ブラヴォ君の表情が素晴らしい。母と犬を愛し、亡くなった漁師の父を思い続ける本当に優しい少年。こんな少年のいる国がどうして麻薬と犯罪と殺人の大国になってしまったのでしょうか。映画『リメンバー・ミー』ような敬虔なクリスチャンの国に戻って欲しい。

一方スペイン少年ファニートのニーニョ・デル・アルコ君。大変愛くるしい顔をしています。ただ(あくまで役柄上の)性格が好きになれません。自己主張が強くわがままな欧米少年そのもの。「奥ゆかしさ」は日本では美徳ですが、欧米ではダメな性格なのかもしれません。

ぺぺと母は愛犬と一緒に大聖堂へ
(赤い靴下がおしゃれ)
ファニートもメキシコへ
(スペインのお坊ちゃま)
ぺぺの愛犬を追う2人
(通行人に大迷惑を...)


走り回るうちに道に迷った
おまけに警察官に追われる身に...
無賃乗車。前の老夫婦が食物を...
その時、チケット拝見の声が
列車の間をジャンプして逃げる
(これ子供が?スタント無し?)


走る列車から飛び降りたぺぺ
ファニートも愛犬も...
メキシコ古代遺跡でも逃げる
(ちゃっかり観光もPR?)
最後。愛犬が海から戻った!
歓喜の涙。もう色々あり過ぎて...
とにかくお腹いっぱいの作品



※後記
アカプルコもかつては欧米人憧れのリゾート地。今は訪れる人も殆どいない寂れた町だとか。なにせ今や世界でも1、2を争う殺人事件発生数。この映画のペペも泣いているのでは...
それはさておき、これは是非とも日本でブルーレイを発売して欲しい映画です。





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