インポッシブル (2012年)

製作年・国 2012・スペイン
少年映画評価 B+
お薦めポイント 大津波の映像。それを生き抜いた少年と母親。
映画情報など 2012年国内公開。DVD販売終了(中古あり)。
写真はトム・ホランド君。


日本では311が近づくと東北大震災を題材にしたドラマや映画が放送されます。本作品は2004年のスマトラ島大地震による津波被害を描いたものですが、東北大震災の翌年の公開となり、複雑な心境でご覧になられた方も多かったのではと思います。本作の主人公は少年。この少年の優しさが印象に残りました。

津波に流され、流され、かろうじて生き残ったルーカス少年と母親。

ルーカス(トム・ホランド)は両親と2人の弟の家族5人でタイのリゾート地にやってきた。美しいビーチで休んでいると、急に大きな津波に襲われて家族は流されてしまった。ルーカスは母(ナオミ・ワッツ)と2人で木に登ってなんとか助かったが、母は重症を負った。苦労して救護所までたどりついたが母の容体は深刻。

救護所でルーカスは様々な患者から家族や子供の行方を聞かれる。ルーカスはそれらの名前を呼びながら避難所を歩く。一人の親子がみつかった。その様子をみてルーカスは自分の事にように喜ぶ。しかし母が行方不明。顔色を変えて探し回る。緊急手術されていたのだ。また諦めていた父と2人の弟とも再会。


長男のルーカスは思春期入り口。家族でリゾート地に来ても面白くもなく、ツンツンした糞ガキに見えました。ああこの映画はダメだなと思ったのですが、津波がやってきて流され、必死になって漂流物につかまろうとしますが、思うように行かず。同じ方向に流された母親と手を握ろうにも...

やっとの思いで木の枝に。母親の太ももは肉が大きくえぐれています。この辺りからルーカスは人間が変わったように、母を励ましながら避難所へ。弟2人は父と一緒に津波に飲み込まれたのを見たので、もう死んだと思っています。自分と母だけが家族。

避難所に行ってからが偉い。多勢の(欧米人)観光客が離れ離れになってベッドに。白人の少年を見かけると、次々に「○○という名前の少年を知らないか?」などと声をかけます。ルーカスはそれをメモして、避難所中を駆け回って「○◯さん!」と叫ぶ。大半は徒労に終るのですが。

遂に1人だけ「僕だよ!」と返事が。すぐにルーカスは家族を呼びに。親子が涙で抱き合っているのをみたルーカスも涙ぐんでいます。他人の幸せを自分の幸せのように思える少年。まあ多少は邪念もあるのでしょうけれど、こんな純粋な少年の姿に私も感動しました。

これに味をしめた訳でもないのでしょうが、その後も人探しのお手伝いに精を出します。しかし気が付くと自分の母がいない。寝ていたベッドには他人が。ルーカスは青ざめて探し回ります。死んでしまったのだろうか。母は医師でした。そんな簡単に死ぬはずはない。結局は手術室で見つかりました。

弟2人と父もルーカスと母を探していました。この避難所にはいない。去ろうとした、際どいタッチの差でルーカスを見つけて、家族は全員涙の再会。ここは甘いです。あの津波の中で幼い弟2人が無傷だなんて。でも映画なんです。ハッピーエンドが嬉しい。

プールで遊んでいた父と2人の弟。父は2人を小脇にかかえたが、波に飲みまれた。
この光景を目の当たりにしたルーカス。父と弟はもうだめだ。

必死に漂流物にしがみつくルーカス。
(実際の津波では漂流物が凶器になる。)
小さな男の子を助けるマックス。
自分の事だけでも精一杯なのに。


やっとの事で救護所へたどり着いた。
母の傷は重く、命も危険な状態だった。
○○を探して欲しい。ルーカスはメモを取る。
○○さん、いますか? 叫びながら救護所内を駆け回る。


親子が再会した。抱き合って泣いている。
ルーカスは物陰からそっと見る。満足感。
エンドロールで流れた家族の写真。
実際に津波を体験した家族の物語が原作。



※後記
私は全く知らなかったのですが、本作『インポッシブル』について他のレビューを参照したのですが、ルーカス少年役のトム・ホランド君は、成長して映画『スパイダーマン』シリーズのスパイダーマンを演じて人気俳優になっていたそうです。それを聞くと、いい演技をした少年俳優が青年になってブレイクしたのは嬉しいのですが、今度は本作の純粋な少年役まで、スパイダーマンという目で見られてしまうのは...




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