Junges Licht (2016年)

製作年・国 2016・ドイツ
少年映画評価 B+
お薦めポイント 1960年代のドイツ少年。性への目ざめ。
映画情報など 国内未公開。海外版BD/DVDあり(Amazon)。
写真はオスカー・ブローゼ君。


海外版のDVDで鑑賞しました。当然、英語字幕があるものと思っていたらドイツ語字幕しかありません。学生時代にドイツ語を履修したとは言え、これは厄介でした。それでも主役少年の魅力と雰囲気は印象に残りました。

ドイツのルール地方にあるドルトムント。少年は鉄道基地が好きだった。

1960年代のドイツの工業都市ドルトムント。12歳のジュリアン(オスカー・ブローゼ)は両親と妹の4人家族。母は情緒不安定で時折りジュリアンを激しく折檻する。その影響かジュリアンも友人がおらず、学校をサボる事も多い。アパートの隣部屋には15歳の少女。彼女の行動はジュリアンの性的関心を刺激する。

母と妹は田舎で静養する事になった。残った父とジュリアンの関係は良好だった。ジュリアンはカメラを持って町の悪ガキ連中の仲間に入ろうとするが、いじめられるだけ。隣の少女には男が出来た。やがて母と妹が帰ってきた。欲求不満も募る中で、ジュリアンは少しずつ大人になっていく。


12歳の少年が日常生活の中で性に目ざめ、少し大人になっていく。ただそれだけ。特に大きな出来事はありません。それでも1960年代のドイツ風の短い半ズボンの少年が魅力的に描かれています。

映画製作は2016年。当然ドイツ少年はこんな短い半ズボンなんてはきません。現代っ子のオスカー・ブローゼ君は脚が長くてカッコいいのですが、海外でのコメントなどを読むと、小児性愛的表現ではないのかとの批判もあるようです。

映画は白黒とカラーが交錯します。また炭鉱をドリルで掘り進むシーンが何回も挿入されますが、どういう意味があるのかは私には判りませんでした。やはり日本語字幕版が欲しいところです。せめて英語字幕でも。

母と妹が静養に出かけた間。ジュリアンは父の世話をします。まるで奥さんのように。朝食を作り、父のネクタイを締めてやり、靴の紐も結んであげます。(そんなものあるのか知りませんが)メイド少年喫茶みたいな。ちょっと変な気がしますが、羨ましい気も。

ジュリアンはカミソリで自分の手を切った。
(自傷行為なのか。学校をさぼるためなのか)
教会の聖歌隊にも所属。中央がジュリアン。
(聖歌隊=聖職者による性的搾取のイメージが...)


アパートのバルコニーからは工場の煙が...
(このシーンは全て合成との事です)
母がいない間。ジュリアンは父の世話をする。
息子にネクタイを締めて貰うのは気恥ずかしい?


気分が優れない時はここへ来るのだった。
(脚が長いなあ...)
バルコニーで父と話すジュリアン。
隣のお姉さんのこと?


工場の煙が流れて来るバルコニー。父と息子は町を見下ろす。


ラストシーン。いつもは父の自転車の後に乗ったままだったが、坂道で降りて自転車を押し始めた。
(いつまでも父に甘えてはいられない。成長したんだ...)


※後記
DVDは日本のAmazonでも普通に買えます。輸入なので少し時間はかかりますけれど。便利になったものです。今見るとBlu-rayもあるようです。





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