Halfaouine (1990年)

製作年・国 1990・チュニジア
少年映画評価 B+
お薦めポイント アラビアンナイトのような公衆浴場
映画情報など 国内未公開。海外版BD/DVDあり(Amazon)。
写真はセリム・ブーゲディール君。


チュニジアの海辺の街で暮す12歳の少年ノーラ(セリム・ブーゲディール)。中庭やテラスのある大きな家に住む。もう12歳なのに母と一緒に公衆浴場の女風呂で身体を洗ってもらうのが大好き。一方で年上の青年とつるんで遊んでいる。また靴屋の親父とも親しい。彼は自称 元舞台演出家。ノーラも興味津々。

ノーラの家は女性だらけ。そこへ美人の叔母さんが居候。さらに父が若い超美人をお手伝いに雇った。ノーラは彼女に一目惚れ。何度も裸を覗こうとしたり。ノーラも思春期。遂に女風呂を追い出された。街では政治運動やデモと激しい取締り。靴屋の親父も連行されていった。こうして少年はまた大人になっていく...


特に大きな起承転結はありません。チュニジア版『トリュフォーの思春期』といったところでしょうか。主役のノーラ少年は決して美形ではありません。モターっとした感じ。それが等身大の少年っぽくていい感じなのです。監督の甥っ子を起用したとか。

興味深いのが公衆浴場。何部屋もあるアラブ風の建物。浴槽はなくてサウナでしょうか。12歳にもなって女風呂に入るのは恥ずかしくないのかな(下心があったとしても)。でも下着をつけて入るのがルールのようです。日本でも銭湯女風呂へ男子は何歳まで許容されるかなんて話題もありました。

もう一つが割礼。男子は5歳になると割礼。これはユダヤ教徒の専売特許かと思っていましたが広く行われているのですね。ノーラの家でも親戚?の子が割礼儀式。ノーラは5歳の時の恐怖を思い出して今でもトラウマ。ハサミで皮をちょん切るのですからねぇ...

全般的に南国らしく明るいのがいい。ノーラの学校シーンは全くなし。学校に行ってないのか夏休み中なのか。学校のシーンがあると必ずイジメとか暴力が描かれるので、学校シーンなんて無い方がいいのです。気になった方はAmazonで海外版をお求め下さい。

公衆浴場の女風呂で母に身体を洗ってもらう。
(浴場では下着をつけるのがルールみたいです)
ノーラの家には女性が大勢。ここではペット扱い。
(何をやっている家かは判りませんでした)


靴屋の親父(右端)は魅力的な人間だった。
(彼の話は本当なのか、大ボラなのか...)
親戚の子の割礼儀式の夜。ノーラはベッドで...
(自分の受けた恐怖と激痛が今もよみがえる)


頭を洗って貰うノーラ。
(女風呂を追い出されたので...)
なんだかんだあっても少年は明るい。
(こうしてみると爽やかな少年です)



※後記
チュニジアはフランス領だったせいか映画もフランス映画風です。イスラム教の国ですが世俗主義ですので、比較的自由な国との事。漢字で書くと「突尼斯」 全く思い浮かばない字ですなぁ...





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