モンド (1995年)

製作年・国 1995年・フランス
少年映画評価
お薦めポイント 詩のような美しい風景と少年
映画情報など DVD販売終了。
写真はモンド役のオヴィデュー・バラン君。



舞台はフランスの港町、ニース。ある日、どこからともなく小さな少年モンド(オヴィデュー・バラン君)が一人でやってきた。モンドの両親は誰で、どこで生まれて、何をしてきたのか、まったく判らない。

モンドはこの町に住みつき、まるで風のように自由に暮らし、優しく接してくれる人には「僕を養子にして」と笑顔を見せるのだった。町の人々は、そんなモンドを愛するようになった。退役した船乗り、郵便配達夫、ホームレス、ベトナム生まれの老婦人など。

ただ一つ、モンドは保健所の野犬狩りの人間を極度に恐れるのだ。(この意味は)やがてモンドの事を知った役人は、浮浪児として施設に収容しようと彼を追いかける。そしてとうとうモンドは姿を消してしまった。町の人々の心に大きな穴を残して。

 所感など

ご存知のようにフランスは少年映画の宝庫です。いくつでも書きたい映画があります。その中で、あまり話題になりませんでしたが、非常に印象に残っているのがこの「モンド」です。何といっても主役モンドを演じたオヴィデュー・バラン君の可愛さは半端なものではありません。

また映像が、これまた半端ではなく美しいんです。光と水の輝き、無垢な少年の横顔。もうこれさえあれば、セリフ、いやストーリーすら無くても、映像だけで十分です。モンド少年が全裸になって水の中に入っていくシーンがあります。美しいのですが、ちょっとこれは作り過ぎかな、とは思いましたけど。

さてモンド君の正体ですが、明示はされていませんが、犬の精なんでしょう。それも人間に捨てられた野良犬。愛に飢え、人なつっこい仕草を見せますが、決して心の底までを見せることはありません。そう思うと悲しくなりますけど。

DVDは絶版になっていますが、レンタル店や中古店を探せば見つかると思います。どうぞ一度見て下さい。

街の人間になぜか愛されるモンド
怖い顔のオヤジでも、モンドには





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