緑の丘のミステリー (2017年)

製作年・国 2017年・クロアチア
少年映画評価
お薦めポイント 主役ココは超美少年。服装もグッド!
映画情報など 2017年製作 DVD等未発売
写真はココ役のMarko Tocilj(マルコ・トシリ)君


全国の映画祭情報サイトでEUフィルムデーズ2018(東京、京都、広島)を発見。最近は分裂の危機さえあるEU。各国から23作品。その中で少年映画は本作品だけ。そのサムネイル写真に少年か少女か判らない子が写っており、これはなんとしても見ないと。

京都会場は京都文化博物館3Fのフィルムシアター。博物館入館料500円だけで設備の整ったミニシアターで鑑賞できます。雨のふる平日水曜にもかかわらず予想以上の観客数。パンフレットも何もないのが残念ですが、大変満足できました。

映画の内容は典型的なジュブナイル小説ですが、5人の少年たちが可愛い。特に主役少年。また1970年代の少年ファッションも素晴らしい。少年たちのルックスや魅力に関しては、大ヒットした米映画「IT イット"それ"が見えたら終わり」なんか足元にも及びません(本作の方が素晴らしい)

(原題は、Uzbuna na Zelenom Vrhu 公式サイトから高画質ポスターやギャラリーがダウンロードできます)

映画ポスターから。少年5人組。左からボゾ、ゾハール、ココ、Crni、トモ
(主役は真ん中のココ少年。最初は米映画「IT」のように女の子かと...)

クロアチアのある地方の小さな町。ココ(Marko Tocilj)、トモ(Alex Rakos)、ゾハール(Jan Pentek)、ボゾ(Tin Gregoric)、Crni(Jakov Piljek)の5人の少年たちは夏休みを楽しんでいた。しかし町で盗難事件が続発。ココの家では買ったばかりの芝刈機が盗まれ、番犬だった愛犬が毒殺された。

ココたち5人は犯人を探そうと怪しい人物を見張る。池のほとりの小屋で犬と暮す老人、いつも一人でブツブツつぶやきながら歩いている詩人のような男。そこへお節介な少女も絡んでくる。5人の中のトモはこの少女に騙されて探偵している事を喋ってしまった。一方トモはある夜、家を出て行った兄の後をつけて秘密を知ってしまった。

さらにCrniも不可解な行動を見せる。どうやらトモの兄に脅されているようだ。そしてココたちは最後に泥棒団を暴くことになるが...(お詫び)名前のカタカナ表記はうろ覚え。Crni君はキーマンですが読みが不明確なのでそのまま..

 スマホもパソコンもない少年時代。いいなあ...
ココとトモ

クロアチアの有名な児童小説作家イワン・クーシャン氏の原作。日本でも「なぞの少年」などは出版されているそうです。本作は5人の少年グループが主役。前述したS.キング原作「IT」の5人とほぼ同じキャラ。どちらかが真似をしたのかと思うほど。

本作の冒頭シーンは夜の道を走る車。ヘッドライトの灯に長い髪に白い服の貞子のような不気味な女性が浮かび上がります。ええっこれホラー映画?と思ったら、少年5人組と少女が輪になっての怪談話でした。こうやってみんなで会話による怪談話は健全(今のようにスマホで陰湿なデマを流される時代よりは)

ピエロの怪物や悪霊に頼らなくても、芝刈機や自転車などのショボイ泥棒だけで少年たちに十分なサスペンスを味わせてくれます。そして最後は泥棒にも人間の優しさみたいなものがあり、少しだけホロっと。こんなジュブナイル小説を今の子供たちは読むのでしょうか。

本作のシリーズは知りませんでしたが、私は子供の頃、名探偵カッレくんラスムスくん英雄になるなどを図書室で貪り読んだものでした。外国の暮しや冒険に憧れて自分も探偵ごっこをしようと、当時流行っていたスパイメモをお小遣いで買ったりして(探偵なのにスパイとはこれいかに)

 5人の少年たち
ココの体育座り(すね毛?)
(いえ画像拡大&圧縮ノイズです)

5人がそれぞれ活躍とはいえ主役はココ。とにかくMarko Tocilj君が美形です。監督やスタッフもそれを意識して作っているに違いありません。女の子のようなタンクトップを着せたり、短いショートパンツから長い脚をみせてくれたりと、少年俳優ファンにはそれだけで十分。

日本人のような名前のトモ。少しポッチャリですが、父や兄を思う気持ちに泣かされます。(ネタバレですが、トモの父と兄が実は...)。また、こまっしゃくれた少女にころっと騙されてしまうのも面白い。でも最後はその少女からキスして貰ってめでたし、めでたし。

一番年長という設定のCrni。彼も美少年ですがどことなく影があります。家族は父親だけ。その父が持っていたピストルをトモの兄に取られてしまい、返してもらうために他の4人を裏切ることに。しかしあのこまっしゃくれ少女にバレて、みんなに縛り上げられてしまった...(美少年が縛られるM系が好きな人には)

眼鏡っ子のボゾ。母子家庭で少し過保護にされてますが、夜中に泥棒を見張りに行ったりとなかなかの活躍ぶり。太っちょのゾハール。本名はヴィンコですが、みんなからゾハール(ゴキブリ?)と呼ばれるものの一切気にしない。メガネと太っちょは、古今東西どんな少年グループにも不可欠な定番キャラ

そして特筆すべきは5人の服装。時代考証とおりの短い半ズボンスタイルが好感度大。また泳ぐ時は水着、寝る時はパジャマ、そして夜は長ズボンと、手抜きなくしっかり着替えるのです。これがヨーロッパの中流階級の少年なんだなあと改めて感心。あと女の子についてはコメント省略。

まず日本のシネコンで上映される事はないでしょうし、DVD化も無理だと思います。でもyoutubeには低画質ですが全編が上がっています。もちろんクロアチア語で日本語字幕なし。どこかの国でブルーレイが出たら買い求めたい作品の一つ。

主役のココ。女の子っぽい笑顔...
左からCrni、ゾハール、ココ、トモ
(みんな夏らしい服装で)

見張り道具をベッドの下に足で隠すボゾ
(画質悪いのですが、脚がきれい...)
夜中に抜け出して容疑者を見張る
(左からボゾ、ココ、ゾハール)

タンクトップ姿のココ
(肩ヒモが細すぎる!女の子の服ですやん...)
いつも厳しい顔のCrni。影がある少年
(トモの兄に無理難題を押し付けられた被害者でした)





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