A Rumor of Angels(2000年)

製作年・国 2000・アメリカ
少年映画評価 B+
お薦めポイント 死は終わりではない。そんな希望が湧いてくる。
映画情報など 国内未公開。海外版DVDあり
(写真はトレヴァー・モーガン君)


直訳すれば天使の噂。国内未公開作品ですが、なかなか興味深い作品です。少年俳優の演技も素晴らしい。ただちょっとスピリチュアル系が入っており、これを見て死が美しいものと勘違いする人が現れると、また別の問題が出てきそうですけれど。

ジェームズとマディ夫人。マディは男勝りで釣りの名人。
(後方はマディ夫人が一人で住む屋敷。周囲の土地も彼女のもの。凄いなあ...)

12歳のジェームズ(トレヴァー・モーガン)は2年前に事故で母を亡くし、父と(再婚した)母、叔父の4人暮し。近所には偏屈な婦人マディ(ヴァネッサ・レッドグレイブ)がいて、子供らは彼女を魔女だと噂していた。ちょっとしたキッカケでジェームズはマディと親しくなった。マディの息子はベトナム戦争で戦死。

息子が戦死した瞬間、息子からのメッセージを受け取った。今でも息子からメッセージがくる。ジェームズの死んだ母のメッセージも聞こえるはずだ。ジェームズの両親はそんなマディとの交流を禁じた。そんな時、マディが倒れ、ジェームズが介護をする事を両親はしぶしぶ許す。やがてマディは亡くなった。ジェームズはメッセージを理解し、前向きに生きていく事を決心する。


死の瞬間、それは as a schoolboy jumps from a schooldoor... みたいなものだと本作品のマディは語ります。(終業ベルが鳴って)学校のドアを飛び出してくる少年みたいなもの。学校とは人間の身体。その束縛から放たれて自由になっていく...

確かにそう考えれば死は解放であって怖くはないかもしれません。だからといって人間がみんな死んでしまえば楽でいいのでしょうか。人間の身体にいることに意味があるのです。学校と同じ。ちゃんと終業のベルを聞かなければいけません。勝手に学校を飛び出せば解放感はあっても真の喜びは無いのでは...

ちょっと私の話までスピリチュアル系になってしまいました。映画の話に戻します。とにかくジェームズ少年を演じたトレヴァー・モーガン君が素晴らしい。欧米少年特有の嫌になるほどの自己主張の強さがありません。ちゃんと相手の気持ちを考えて自分を抑える事ができる、そんな少年役でした。

とはいえ、継母に向かって感情を爆発させて「あなたは母親ではない」と言ってしまう場面もありました。でもマディが亡くなって死の意味を知ったジェームズは、継母に酷い事を言った事を反省し、和解して継母の胸に顔を埋めます。

何といってもマディ役のヴァネッサ・レッドグレイブさん。最初は本当に魔女かと...。夜の庭に侵入してきたジェームズに向けて猟銃を発砲。弾倉を入れ替えて何発も何発も。威嚇射撃とは思いますけれど。しかしその後はジェームズと本当の母子いや父子のように。父親の影が薄いせいもありますけれど


マディ夫人の庭に侵入したジェームズ
いきなり夫人は発砲してきた!
翌朝、マディ夫人がジェームズの家にやって来た。
ジェームズが壊した塀を修理しろとの抗議だった。


修理はジェームズにさせる事。それが彼女の主張。
なんやかんやあって...夫人と少年は打ち解けた。
マディはジェームズをある場所に連れていく。
2人で自転車に乗る様子は父と息子のよう。


そこはジェームズの母が事故死した場所。
彼女は母の声を聞くように言った。
マディ夫人が病に倒れ、最後の時が来た。
ジェームズは涙を流すが、彼女は...


マディ夫人が亡くなった夕方。浜辺にいると灯台の灯りが点滅した。
それはモールス信号。マディからのエールだった。飛び上がるジェームズ。


※後記
本作品では死んだ息子との通信手段にモールス信号が使われています。ベトナムで死んだ息子は海兵隊員。息子が戦争で殺してしまったベトナムの子供たちと一緒にあの世にいるそうです。それは置いといて、私の小学生時代。通信手段としてモールス信号、手旗信号などが少年漫画雑誌に載っていました。そして伝書バトを飼っている子が何人かいました。大会もあるとか。今はとんと見ませんねぇ...




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