ネバーエンディング・ストーリー(1984年)

製作年・国 1984・西ドイツ/アメリカ
少年映画評価
お薦めポイント とにかくアトレイユの美少年ぶり
映画情報など 1985年、国内公開。BD/DVD発売中。
(写真はノア・ハザウェイ君)


私が取り上げるまでもなく少年映画としての金字塔のような作品。日本で映画が公開される前にレンタルビデオ店で海賊版が並びました。私はそんなもの絶対借りませんでしたが、借りた友人によると、どこか海外の映画館でスクリーンを盗撮。素人が訳した字幕がついていたそうです。

公開前には「幼心の君」が絶世の美少女だと盛んに宣伝されていましたが、少年俳優のことなど全く無視。でも公開後には勇者アトレイユ役のノア・ハザウェイが絶世の美少年と絶賛され、ファルコンの背に乗った少年のパロディまで登場。宣伝業界なんていい本当にいい加減だとあきれたものでした。
(もちろん幼心の君を演じたタミー・ストロナッハさんが絶世の美少女である事はその通りです。)

ドラゴンの背に乗って大空を飛ぶ。これには少年も少女も大人にとっても夢でした。

都会で暮す少年バスティアン(バレット・オリバー)。いじめっ子に追われて逃げ込んだ書店で不思議な本を見つけた。学校には行ったが授業をサボり、屋根裏の倉庫で本を読み始めた。

ファンタージェンという国が「無」に侵略されて消えていく。この危機を救うために勇者アトレイユ(ノア・ハザウェイ)が旅に出た。「無」に対抗できる力を求めて、様々な冒険を繰り返すが、「無」はますます強大化。絶望的な思いで王女である幼心の君(タミー・ストロナッハ)に接見する。

王女は叫んだ。ファンタージェンを救うのはあなた。おねがい。気づいて。それはアトレイユではなく、本を読んでいるバスティアンだった。


「無」というのは、人々が夢を忘れて無関心になること。これがファンタージェンにとって最も恐ろしい災害。そして黙って第三者の立場にいるだけでは、何の解決にもならない。声を上げなければいけない。これは第2次大戦を経験したヨーロッパの人々の考え方でしょうか。

映画『リメンバー・ミー』はメキシコの死者の国の話。人間は二度死ぬ。一度目はこの世を去る時。二度目は生きている人に忘れられた時。これも本作と共通する部分があります。忘れられることを極度に恐れるような考え方。

子供も親戚もいない人は、何か著作とか業績とかを残さない限り、死んだら忘れられてしまいます。ということは、あの世からもいなくなり「無」に帰ってしまうのでしょうか。でも私個人はそれでも構わないと思っていますれど。

おっと。楽しい冒険物語が変な風になってしまいました。話を戻して、とにかくノア・ハザウェイ君が本当に美しい。少年にも少女にも女神にも見えます。一番いい時に本作を演じました。本作の後『トロル』という映画で主役を演じましたが、少年の輝きは薄れてしまっていて残念でした。

なおバスティアン役のバレット・オリバー君も少し幼いですが美少年です。彼はこの後『ダリル』や『コクーン』に出演し、人気少年俳優となりました。


いじめられっ子のバスティアンが見つけた不思議な本。バレット・オリバー君も美少年

ファンタージェンの危機を救うために呼ばれた少年アトレーユ。長老からお守りをかけてもらった。

悲しみの沼で大切な愛馬を失った。(このシーンの撮影ではノア・ハザウェイ君も死にかけたとか...)

新しい相棒ができた。ファルコン(ドラゴン)に助けてもらった。

ファンタージェンは風前の灯。何もできないアトレイユは焦るが...

ファンタージェンを救うのは君だ。バスティアンは戸惑うばかり。


※後記
もう欧米では本作のような作品は作りにくいかもしれません。冒険するのは少年。お姫様は待つだけ。これは性差別だと批判されます。今は少女が冒険をして、王子様を助けに行く話も作られているようです。でもこれも性差別を裏返しただけ。少年と少女が一緒になって冒険をする。そうでないと公開できない時代になりつつあるような...




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